「デニーズ」の冷凍食品「Denny’s Table」発売、グループ内外での拡販目指す、人気商品は「デミグラスハンバーグ」など/セブン&アイ・フードシステムズ

冷凍食品「Denny's Table」デミグラスハンバーグ

ファミリーレストラン「デニーズ」を手掛けるセブン&アイ・フードシステムズは、2022年5月から冷凍食品「Denny’s Table(デニーズテーブル)」の展開を開始した。

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元々、カレーの予約販売などは行ってきたが、コロナ禍での冷食需要の高まりなどから、冷凍食品の販売に着手したという。現在は12品を展開しており、今後はセブン&アイグループ以外の小売店での販売も強めていく考えだ。外販事業推進部長の堀川順子氏に聞いた。

セブン&アイ・フードシステムズ 堀川氏

――なぜ市販冷凍食品の販売に着手したのですか
 
冷凍食品は誰が作っても美味しい料理を提供できるため、多くの外食チェーンではさまざまな場面で活用してきた。そのため、元々冷凍食品には強かった。
 
コロナ禍に入って、店舗に来ていただく機会は大きく減ってしまった。一方で、スーパーやコンビニなどでは冷凍食品の売場を拡大する動きは強まっていたため、チャンスがあると思い、本格的に取り組むことにした。
 
ただ、価格で勝負するのは難しいと感じており、何があったらいいか考えた。その中で、調理の大変な洋食にフォーカスを当てて取り組みを進めた。私たちはレストランで長年洋食を手掛けており、強みを活かせるとも感じている。
 
――現在のメニューと、好調な商品は
 
デミグラスハンバーグやトマトハンバーグ、ショートパスタのカサレッチェにジェノベーゼソースをかけたメニューなど、12品を展開している。店舗で提供しているものを改良した商品や、パッケージを変えて販売しているものなどがある。好評なのはデニーズで提供しているメニューが多く、トップは「デミグラスハンバーグ」で、「ビーフシチュー」や大容量の「ジャンバラヤ」なども順調だ。

「海老とじゃがいものカサレッチェ~ジュノベーゼソース」/Denny’s Table

――当初の計画と比べた販売状況は
 
レストラン店内での販売は計画以上で推移した。245店舗(7月中旬時点)に冷凍ショーケースを設置しており、設置していない店舗との売上の差は倍近く違った。
 
外部については、セブン&アイグループ内だけでなく、外部にも提案を進めているが、想定よりも好意的な声が多く、嬉しい想定外だった。ネットスーパーでも順調だ。「ジャンバラヤ」といった量の多い商品は、今後強化も視野に入れている。
 
改良点としては、商品によっては湯せん調理なので、来年以降は調理の簡便性にも取り組んでいく。
 
――販売施策は
 
ホームページでアレンジレシピを掲載し、レストラン気分をより楽しんでもらうための提案も行っている。洋食は調理が大変なため、少しの手間でさまざまな味を楽しめることを伝えていく。料理が好きな方にも使ってほしい。SNS用の動画も準備している。
 
――今後の取り組みは
 
10月からは本格的に販売拡大に取り組む。テイクアウトや宅配が頭打ちになる中で、伸長している冷凍食品の販売は重要な施策の一つ。出店していない地域にも、店舗の味を届けられる。店舗内での販売と共にグループの販路を活かした提案などを進め、日本全国に広げられるよう取り組みたい。
 
〈冷食日報2022年8月24日付〉