「KIRIN ICHIBAN」の味覚とパッケージをリニューアル-キリンビール

グローバルブランド化を強化、2020年に15年比50%増目指す

キリンビールは、世界の40の国と地域で展開中の「キリン一番搾り」(海外では「KIRIN ICHIBAN」)の味覚とパッケージデザインをリニューアルし、輸出品(韓国・台湾など東アジア中心)は8月製造分から、海外製造品(米国、ドイツなど欧米中心)は12月製造分から順次展開する。国内では7月下旬から順次リニューアルを開始し、海外でもリニューアルすることで、国内外で日本のビールの本流を目指す。

同社は24日に国内外のマーケティングについて説明会を開催し、山形光晴マーケティング部長(写真左)が説明した。「6月5日に、一番搾りのリニューアルを発表したが、グローバルでもリニューアルする。当社のフラッグシップブランドとして、中長期的視点でグローバルブランドに育成する。日本のクオリティブランドと文化を象徴するブランドとして、プレミアムビールの独自の強いポジションを確立する」として、販売目標を「東アジア、北米を重点エリアに選定し、2020年の“一番搾り30周年”をひとつのゴールとして、15年比で販売数量50%増を目指す。一番搾り単体ではないが、ビールのキリンブランド計で海外販売を、15年の534万c/sから20年には800万c/sくらいにしていきたい。16年の海外販売も約2割増と成長が加速している」と話した。

海外でのユーザーの深層心理の調査では「一番搾りの魅力は、“自然の恵みをひきだしたおいしさ”“丁寧なものづくりによる品質の高さ”“あたたかみのあるパッケージ”“日本語のネーミング、ロゴ”などだ。上海では、中国はお茶を飲む習慣があり、搾りだすというのは“カ 

ラダの中までキレイにしそう”という声もある」ことが分かったという。

グローバルリニューアルは国内リニューアルに準じて、麦のうまみを増しながら、より角のないバランスの良い香味を実現した。パッケージは、上部の「KIRIN’S PRIME BEER」を「JAPAN’S~」に、中央部の「KIRIN BEER」を「KIRIN ICHIBAN」に変更する。

マーケティングでは、国内では、商品面で、10月10日に「一番搾り スタウト」の後継商品として「一番搾り〈黒生〉」を発売。10、11月に期間限定品を発売する。広告・販促は、TVCMを大量出稿、新・一番搾りを大サンプリングし、飲用体験をつくり、工場では、国内外の外国人向けに、工場見学ツアーの内容を充実させる。海外では、韓国ではTVなど、香港では「一番搾りガーデン」やデジタルコンテンツを充実させる。オーストラリアでは今年から発売を開始し、日本食イベントなども実施するとした。

組織体制については、5月に、13カ国のマーケ責任者が集い「グローバル・マーケティング・カンファレンスを」を開催し、各国の成功事例を一元化し、他国でも展開する仕組みを構築した。「グローバル・ブランド・ブック」の策定と浸透に努めた。またキリンビール内に「一番搾りグローバル・ブランド・マネジャー」のポジションを新設している。