8月、首都圏は「40年ぶりの長雨」と報道されているとおり、夏らしくない天候が続いている。その影響はビール類や清涼飲料に顕著で、悲鳴をあげるメーカーも。特にビール類は、6月の改正酒税法の施行で店頭価格が是正された結果「6缶パックやケース買いが目に見えて減っている」(中間流通業)。店頭価格の上昇による買い控えに、天候不順が追い打ちをかけている。

気象庁によると、7月の東京の平均気温は27.3℃でここ10年間の平均より0.7℃高かった。しかし、8月は18日現在で、7月よりも低い25.7℃で、10年間の平均より2.0℃低い。

空調設備が行き渡っていることで「昔ほど、気温がビール類の消費に影響を与えるとはいえない」(メーカー)。とはいえ、これだけ長雨が続けば飲食店のジョッキから遠ざかるのも当然だ。業務用で動きが悪く、一部のビアガーデンでは閑古鳥が鳴いているという状況も。

ビールメーカー4社の8月上旬の出荷量は前年同期比4%減。中旬はそれ以上に悪いとみられる。ビール類は、お盆までに夏の分の受注をほぼ終えるのが通例で、8月下旬の出荷量はボリューム的に小さくなるため、下旬の回復を見込むにしても限界がある。8月単月では5%減程度で着地する見通しだ。

8月中旬にはビール4社の秋限定商品が出揃った。出足が鈍いわけではないが「夏を飛び越えて、秋のムードのビールを飲みたくなるかな」という自虐的なムードも。

西日本では盛夏が続いており、天候要因は限られるが、やはり消費の大きな部分を占めるのが首都圏。特に首都圏エリアに強い特約店では、嘆きの声が聞かれる。

一方で、明るい材料がないわけではない。改正酒税法以降、めっきり少なくなっていたチラシの掲載はお盆前に一斉に増えた。酒税法の順守により、売価は当然、上がったままだが、一定の水準内での特売が増えれば、消費者が徐々に適正価格に慣れてくる。

ビール類以外に目を転じれば、缶チューハイなどのRTDは引き続き好調だ。またノンアルコールビールも底堅く消費を伸ばしている。逆にいえばビール類からの流出が激しいということでもあるが、こうした〝ポストビール類〟が、予算達成に一役も二役も買っている。