割材メーカーの提案が活発化、レモンサワーブームで

普段、料飲店で親しまれているサワーやカクテル。これをバックヤードで支えているのが、いわゆる「割材」だ。

ここにきて割材メーカーの提案が一気に面白くなってきた。要因としては、ずばり「レモンサワーブーム」によるもので、連続式蒸留焼酎を製造するメーカーからも提案が相次いでいたが、「レモン側」の割材を取り扱うメーカーの動きも盛んになってきた。

冷凍フルーツに強い丸源飲料工業は、冷凍のストレートレモンジュースから冷凍レモン果実まで幅広く提案。「レモンサワーが多様化しており、各店舗こだわりの逸品を創ろうと努力している。そういった店舗から付加価値をつけられるということでそういった商品の引き合いが強くなっている」と同社。

博水社は今年5月に発売した「パクチーレモン」を提案。同商品はパクチーの特徴的な香りを持ちつつ、レモンのさっぱりとした味わいを併せもつもので、同社営業担当者は「エスニック料理店などでの採用実績が多く、これまで当社が入り込めなかったところにも展開できている。焼酎やウオッカで割って飲んで頂くのはもちろん、ランチのドリンクとしても女性から支持を頂いており、今後も継続してそういった料飲店にアプローチをかけていく」と話す。

また、機能性訴求型の商品の市場も広がっており、スター食品「お疲れさんにクエン酸」は発売して12年経つがまだまだ好調で、製薬会社から参戦の日水製薬では「肝臓エキス」を配合した「ホルモンサワー」が焼肉などの店頭でじわじわと支持を広げている。今年で創業93年目を迎える三田飲料は「安全・安心」を念頭に置いた上で、国産果実を使用した「ぜいたくな産地」に新商品を投入し、付加価値を持った提案を行っている。

同じく老舗で、今年で創業112年となるホッピービバレッジは昨年にラインを更新、今年2月にはP箱とリターナブルびんを改良するなど動きが盛ん。引き続き「赤坂食べないと飲まナイト」などの需要喚起策も取組んでおり、今後の動きも目が離せない。