メルシャンは、シャトー・メルシャンの原料ブドウ産地の一つである長野県で、2018 年9月に「シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原ワイナリー」(長野県塩尻市)、19 年秋に「同 椀子ワイナリー」(同上田市)を新設する。また、現在山梨県甲州市勝沼町にあるワイナリーは「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー」として、18年6月に一部見学コースをリニューアルする。

新規ワイナリーを加えた3つのワイナリーを拠点とし、現在3.5万箱(720ml×12 本換算)の日本ワインの販売数量を27年に6.7 万箱に引き上げる考え。自社管理農地面積は現在の約40ha から約76ha に拡大する。総投資額は約6億円。大半を、更地からワイナリーを建設する椀子ワイナリーに充てる。現在でも勝沼の醸造キャパシティを超えていることが背景にある。

当面は桔梗ヶ原ワイナリーでは赤を、椀子ワイナリーでは赤・白を生産する。勝沼ワイナリーの生産予定箱数は年間約5万箱(720ml 換算)。桔梗ヶ原ワイナリーは、1938 年に開業した「塩尻セラー」の建屋を生かし、醸造設備を新設する。ガレージワイナリーという位置付けで初年度1,000~1,500 箱を計画。

椀子ワイナリーは、2003 年に開園した同社最大の自社管理畑である椀子ヴィンヤードの一角に、畑から醸造まで全てを体感できるブティックワイナリーという位置付けで建設し、初年度約5,000 箱を計画する。

〈シャトー・メルシャンを屋台骨に育成へ〉

17日にメルシャン代野照幸社長、森裕史マーケティング部長、小林弘憲生産・SCM本部生産部が登壇し、発表会を開催した。代野社長は「日本ワインはワイン市場の5%くらいのシェア。全般的な“量から質"への変化もあり、これからも成長ドライバーとなる。当社でいえば、シャトー・メルシャンは2%くらいのシェアだが、今後、長期的に投資していく価値がある。海外でも、特に香港で人気が出ており、米国に迫る勢いだ。ヨーロッパでも、伝統的料理に日本の食材や調味料を使う流れがあり、そのマリアージュでも期待ができる。つまり、国内のみならず海外でも潜在力が高い。最終的な形になるまで20 年、30 年かかると思うが、シャトー・メルシャンを当社の屋台骨にしていく考えだ」と長期戦略を明らかにした。

同社の1~9月の販売実績は2%増。「市場は2016 年に踊り場を迎え、17 年も前年並みで着地するとみているが、当社はそれを超えていく」(同)。内訳は国内製造ワインは前年並み、日本ワインが7%増、輸入ワインが5%増。日本ワインの内訳は7%増の約2.6 万箱。うちシャトー・メルシャンが9%増の約1.7 万箱。うち甲州が77%増の約0.5 万箱。「これがゴールではなく、適地・適品種の考えのもと、ワイン用ブドウの栽培に適した産地を確保・育成していく」(同)としている。
「桔梗ヶ原ワイナリー」「椀子ワイナリー」を新設へ―メルシャン