キリンの低アルコール飲料 新ブランド投入で2ケタ成長、「氷結」はユニークな飲み方提案も

「旅する氷結 ヨーグルモサワー」では氷菓「白くま」と組み合わせた飲み方を提案
キリンビールは1~3月の第1四半期は比較的スローなスタートとなったものの、4月10日に発売した「キリン・ザ・ストロング」発売以降急速に販売数量が伸び、1~6月累計では前年比2ケタ台増まで上昇。RTDカテゴリーの年間目標でもある6,000万ケース(250ml×24本換算・対前年13.4%増)が射程圏内に入ってきている。

ブランド別で見てみると、急速な伸長に貢献している「キリン・ザ・ストロング」は発売2カ月で出荷数量が250万ケースを達成し、年間目標である6000万ケースの40%超を達成。当社が採用するPOS データでも、RTDカテゴリーでは発売以来全商品(ハードレモン、ハードドライ、ハードコーラ、ハードラムネ)が50位以内にランクインしておりその好調ぶりが見て取れる。

急速な伸長に貢献している「キリン・ザ・ストロング」

急速な伸長に貢献している「キリン・ザ・ストロング」

同商品が成功した要因について同社担当者は「“トリプルハード製法”による“ハードな刺激と飲みごたえ”というストロングRTDユーザーが求めていた味覚に応えることができた。当社が行った調査でも“味”や“うまさ”に対する評価が高く、リピート率が高いことが販売好調に結びついている。パッケージに当社RTD史上初めて聖獣を配したデザインを採用したことで店頭での視認性・ブランド識別性が上がるだけではなく、商品の本気度・品質感が高まったことも要因の一つではないか」と分析する。

なお「ハードレモン」はストロング市場の主なユーザーである40~50代の男性から支持されており、「ハードコーラ」は前者よりも若い30~40代の男性のユーザーの獲得に貢献している。

同社の看板商品である「氷結」は、昨年同ブランド史上最高の出荷数量を記録したが、今年もその勢いはキープしており、ブランド計の上半期前年比は3%増で推移。シリーズ別に見てみると「氷結」「同ストロング」が概ね1%増、7月にリニューアルを行う「同ZERO」は15%増、昨年発売し話題となった「旅する氷結」は39%増と非常に好調だ。

プロモーションにも大きな注目が集まる同ブランドだが、今年も2016年から継続する「あたらしくいこう」をメインテーマに、新しいことに真剣に挑戦する明るく前向きな気持ちを表現したCMを制作し、ユーザーから高く評価されている。2018年初頭に放送された、俳優の高橋一生さんが出演し、キレキレの「ヲタ芸」を披露した「あたらしくいこう2018サイリウムダンス篇」や、最近では乃木坂46の白石麻衣さんが手にマメを作りながらも和太鼓を演奏する「同 和太鼓編」も大きな話題となった。飲み方提案も積極的に行っており、レシピ動画サイト「DELISHKITCHEN」とコラボした鹿児島発祥の氷菓「白くま」を崩し「旅する氷結 ヨーグルモサワー」を投入する飲み方や、「氷結北海道産メロン」とバニラアイスを組み合わせた「大人のメロンクリームソーダ」など、ユニークな提案を行うほか、特設サイト「氷結100キーン!」を開設。「なるほど!なおいしい飲み方から、そう来るか!な裏技」を100通り紹介している。

「本搾り」は「果汁とお酒だけ」という「ホンモノ感」が支持がされ、上半期前年比10%増で推移。8月には「レモン」と「グレープフルーツ」250ml缶を業務用商材として発売。380~400mlのジョッキに氷を入れて注ぐとちょうど使い切れるサイズとなっており、手作りのような果汁感のあるチューハイを簡便オペレーションで提供できる商品として、料飲店のニーズに応えていく。

「本搾り」は「果汁とお酒だけ」という「ホンモノ感」が支持

「本搾り」は「果汁とお酒だけ」という「ホンモノ感」が支持

〈酒類飲料日報 2018年7月26日付より〉