「デュワーズ」方針説明会開催、「スコッチNo.1ブランドに成長させる」/サッポロビール

バカルディジャパン前田章子代表取締役社長(左)、サッポロビール宮石徹取締役常務執行役員営業本部長(右)
サッポロビールは23日、東京都港区の東京ミッドタウンにて「Dewar’s Vision 方針発表会」を開催した。

今回の発表会ではバカルディジャパンやサッポロビールの担当者が9月18日に発売した「デュワーズ ホワイトラベル200ml」や、24日から発売となる「同 樽詰ハイボール10L」の商品説明を交えつつ「デュワーズ」ブランドについて今後の広告宣伝プランや戦略の説明を行った。

〈ブランド計で20万箱を達成する見込み、この勢いをさらに加速させる/宮石常務〉
説明会に先立ち、バカルディジャパンの前田章子代表取締役社長とサッポロビールの宮石徹取締役常務執行役員営業本部長が壇上で挨拶。前田社長は「“デュワーズ”は米国やスペインなどでは高いシェアを誇っており、これからはインドや中国などの新興国も含めて世界中で売上をアップさせ、世界でトップ5のスコッチウイスキーブランドを目指していく。また、日本の市場においては、当社の売上の4割近くを占める重要なブランド。サッポロビールとも協働しつつ、ブランド価値と売上高を向上させていきたい」と国内外の「デュワーズ」の現状について触れたのち、ハイボールの動向について「世界中で“ハイボール”という飲み方が広まっている。欧米のメディアも注目を集めており、日本のブームが波及し世界的なトレンドとなる兆しを見せている。10月9日にはドイツ・ベルリンで開催された“バーコンヴェント”にて、当社商品を用いたハイボールの説明会も実施。日本で得た知見を活用し、より一層の普及に努めていきたい」と海外でのハイボールの盛り上がりについて説明。

宮石常務は「国内の直近5年間の酒類市場を見てみると、酒類の合計では横ばいとなっているがウイスキーは2012年比65%増と好調に推移。ウイスキーの中でもここ5年の年間平均成長率を見てみるとジャパニーズウイスキーが6.6%増、アメリカンウイスキーが11.2%増、スコッチウイスキーが16.4%増と大きく伸長している」と日本でのスコッチの好調ぶりを示し、「バカルディ社とは2012年から業務提携を行っているが、なかでも“デュワーズ”の国内における販売数量を6年で約13倍の数量となるまで伸長させてきた。今年は20万箱(750ml×12本換算)に達する見込みとなっている。また、国内における同ブランドの販売数量はスコッチウイスキーの中では2014年は8位、シェアスコッチ市場の中で3.0%だったものの、直近では3位、シェアは3倍以上の10.4%の売上を記録。“デュワーズ”はここ数年で大きく躍進しており、この勢いをさらに加速させ、国内におけるスコッチウイスキーNo.1ブランドに成長させていくべく、様々な取組を進めていきたい」と挨拶を締めくくった。

〈「100年ハイボール」訴求で差別化図る〉
広告戦略については「“ハイボール”が“デュワーズ”創業者のトミー・デュワーの一言から生まれたとされる伝説と絡め、新たなコミュニケーションのキーワードに“100年ハイボール”を採用。TVCMやSNS への発信、イベントなど幅広い場で消費者との接点を増加させ、商品の認知度を高めていく」とバカルディジャパンマーケティング部の柴田宗紀氏。

販売戦略については「100年ハイボール」の訴求で差別化とトライアルの促進を図り、家庭用・業務用両面からのブランド発信による価値向上を図ることにより、スコッチウイスキーNo.1ブランドへ挑戦する。サッポロビールの島田淳スピリッツ事業部長は「2020年には30万箱、2022年には45万箱まで成長させる。そのためには毎年20~23%程度増加させなければいけないが、直近では前年比45%増で推移している。決して無理な数字ではない。業務用市場では2022年までにこのほど発売する樽詰商品も活用し“デュワーズハイボール”取扱い飲食店を60,000店にまで拡大させ、家庭用では珪藻土コースターがセットになった企画商品や、ソーダオンパックの提案でカバー率を拡大させ、ブランドの認知や売上の向上を図っていきたい。また、9月に発売したホワイトラベルの200mlを活用し、ユーザーが“デュワーズ”にトライアルする機会を創出していく」と説明した。

〈酒類飲料日報 2018年10月24日付より〉