国産ジンの輸出急拡大、18年は前年比6倍超 「クラフトジン」世界的ブームで参入相次ぐ

「ROKU」(サントリースピリッツ)、「ニッカ カフェジン」(アサヒビール)、「Japanese GIN 和美人」(本坊酒造)、「季の美」(京都蒸留所)
〈焼酎を超え、蒸留酒ではウイスキーに次ぐ輸出額に〉
財務省が発表した貿易統計によると、2018年のジンの輸出数量は1,405klとなり、前年比606.6%となった。数量の伸び率は全酒類中最高。金額は19億8,875万円で前年比309.9%、前年までは焼酎の半分弱の取引額だったが、2018年には4億6,000万円ほど上回り、蒸留酒ではウイスキーに次ぐ金額となった。取引を行う国の数も2017年は15カ国だったものの、2018年は28カ国と13カ国増加。

急成長の背景には「クラフトジン」の世界的な流行がある。イギリスでは2008年に蒸留所「シップスミス」がロンドンに創業、約200年ぶりにロンドンで銅製の蒸留器が稼働したことで大きな話題を呼び、英国全土にクラフトジンブームが到来。当時12しかなかった蒸留所は、この10年で450超に増えたという。ブームはイギリスから世界へと飛び火し、クラフトジンは大きなムーブメントとなった。日本では、サントリーやアサヒビールなどの大手ビールメーカーに加え、九州の焼酎メーカーが相次いで参入し、クラフトジンの数量そのものが増大したことが、輸出増に影響したと考えられる。

国産ジンの輸出実績推移

国産ジンの輸出実績推移

〈輸出先トップはジンの発祥国・オランダ〉
国別の輸出数量・金額を見ていくとこれまで100klを超える国はなかったものの、2018年はオランダ、オーストラリア、アメリカ、シンガポールの4カ国が100klを突破。金額では1億円以上となった国は数量で100klを突破した国とイギリスで5カ国となっている。
 
どちらもトップとなったのはジンが発明されたオランダで、数量は769kl、金額は7億7,415万円となり、数量では全体の54.7%を占めている。また、増減率は前年比821.3% 、金額では226.1%と大きく増加しているが、1Lあたりの価格は2017年に比べて2,651円下落している。
 
オランダに次ぐオーストラリアは153klで前年比1145.6%と10倍以上の伸長を記録。金額も5億3,641万と前年の10倍以上となり金額の伸び率としては最高となっている。
 
アメリカは110klで前年比1551.3%。金額の伸び率はオーストラリアが最高となったが、数量の伸び率ではアメリカが最高。また、日本酒や焼酎、ビールとは異なり、アジア圏の国がトップ3に入っていないのもジンの特長。
 
アジアではトップとなったシンガポールは110klで前年比264.2%。トップ3の伸び率と比べると少し霞んでしまうが、それでも前年の倍以上の伸び率となっている。

国産ジンの輸出実績(相手国別)

国産ジンの輸出実績(相手国別)

〈酒類飲料日報 2019年2月20日付〉