テキーラ「クエルボ」ブランドアンバサダーを招きセミナー、「クエルボ社の歴史はテキーラの歴史」

「クエルボ」ブランドアンバサダー ステリオス・パパドプロス氏
アサヒビールは5月14日、テキーラ「クエルボ」からブランドアンバサダーのステリオス・パパドプロス氏を招いたブランドセミナーをSPIRITS BAR Sunface SHINJUKUで開催。パパドプロス氏が「クエルボ」の歴史やポートフォリオについて説明した後、国際カクテルコンペ「ホセ・クエルボ ドンズ・オブ・テキーラ」初回優勝者の江刺幸治氏によるカクテル3種を提供した。

パパドプロス氏=「クエルボ」は生産量・販売量共に世界一のテキーラだ。創業は1795年、今でも家族経営を続ける「クエルボ」の歴史は、テキーラの歴史でもある。テキーラを正しく理解してもらうためのグローバルな教育システム「World of Tequila」も展開。テキーラにとって一番大事なのは、蒸溜ではなく、まずアガベ。そして発酵だ。

1Lのテキーラに7kgのピーニャ(アガベ)が使われる。ワインにおけるぶどうのように、テロワールも重要な要素のひとつ。クエルボ社を代表するラインナップには、「クエルボ」と「1800」があるが、「クエルボ」はローランドスタイル、「1800」はハイランドスタイルだ。

クエルボでは毎日4,000人がアガベ畑で働き、手作業で収穫する。葉を残すとベジタルな香りが出るため、熟練の技が必要だ。発酵は天然酵母で、蒸溜は2回。熟成に使う樽も味わいを決める重要な要素のひとつで、テキーラではクエルボだけが新しいオーク樽を使う。また、樽材による味の違いも大きい。「クエルボ」はアメリカンオークで熟成するが、「1800」はアメリカンオークとフレンチオーク、2種類の樽を使い分ける。

ブレンデッドテキーラと100%アガベテキーラは、ブレンデッドウイスキーとシングルモルトのようなもの。どちらがいいというわけではない。ブレンデッドにはミクサビリティがあり、カクテルに最適。100%アガベテキーラはストレートで味わってほしい。

カテゴリーでわけると、熟成60日未満のブランコ、熟成60日~1年のレポサド、熟成1~3年のアネホがある。さらに、「クエルボ」では1995年に、メキシコ初の「エクストラアネホ」(エクストラアネホの定義制定は2006年)として「クエルボ・レゼルヴァ・デ・ラ・ファミリア」をリリースした。
 
〈テイスティング法も披露〉

テイスティングでは、自ら考案した「テイスティングホィール」を例に、外観・アロマ・パレットなどの観点を説明。「テキーラの味わいの8割は香りによる」と、香りを確認する 3つのステップも紹介した。

まず、ワインのようにグラスを回すとアルコールが飛ぶので注意する。香りをとる際は、口を開けた状態で、まずグラスの手前のふちを嗅ぎ、ブランコの場合は土っぽさを探す。次にグラスの中心を嗅ぎ、甘さを確認。最後にグラスの向こう側のふちを嗅いでフローラルさやフルーティーさを探す。

次にテキーラを一口含み、数秒間口内に留めたあと飲み込み、2口目で味わいを確認する。後味を確認するために必ず飲み込むこと。

試飲では、「1800」の「ブランコ」と「レポサド」でスタイルの違いを比較したのち、エクストラアネホの「レゼルヴァ・デ・ラ・ファミリア」を紹介。毎年11月にメキシコでリリースされる限定品で、メキシコ人アーチストが手掛けるボックスはコレクターズアイテムともなっている。「テキーラのコニャックと呼ぶ人も多い」。

江刺氏は、100%アガベテキーラ「1800」とアガベシロップで造る「トミーズマルガリータ」、柚子と紫蘇を使い、炭酸氷で食感にもこだわった和テイストの「フローズンマルガリータ」、「ボルス」ヨーグルトとフレッシュパイナップルを使ったトロピカルなカクテルの3種を披露。

トロピカルなカクテル披露も

トロピカルなカクテルも

〈酒類飲料日報 2019年5月16日付〉