第11回「雄町サミット」日本酒歓評会に215点が出品、45点に優等賞〈受賞一覧〉

JA全農おかやま、岡山県酒造好適米協議会、岡山県酒造組合の3者は7月30日、11回目となる雄町サミットを東京都千代田区のホテルグランドパレスで開催した。

今回は酒類業界関係者向けの利き酒会を1部、雄町の生産者や酒蔵関係者、一般客が参加した懇親会を2部として開催し、合計680名が参加。毎年開催されている歓評会では全国134酒蔵から岡山県産雄町を原料に使用した日本酒215点が出品され、そのうち45点が優等賞を獲得した。なお、例年審査は1回だけだったが、今年から予審と決審の2段階で審査された。

2部の懇親会に先立って開催された審査講評では、産本弘之審査委員長(岡山県工業技術センター所長)が「雄町の特徴である“旨味”“ふくらみ”“滑らかさ”“酸味”、こういうことが含まれる奥行きのある味わいを重視して審査した。北は北海道化、南は佐賀・大分まで全国各地でこれだけ多くのすぐれたお酒が雄町から作られていることをうれしく思う」とコメント。

酒質を評価する一方で、審査に参加した審査員からは、

▽「純米酒の部に出品されたものの中には“雄町で造らなくてもこの味わいは出せるのでは”と思わされるものも。個性ある品種なので、もう少し特性を生かしてほしい」

▽「様々な酵母が使用されていたが、穏やかな酵母を使って風土を反映させるのも雄町の個性を引き出す1つの手段。審査においてはインパクトが強いものが有利となる傾向があるが、素朴な米に派手な香りをつけすぎるのもどうかと思う」

▽「二酸化炭素の溶存量が多く、ピリピリとするものも散見された。雄町の特長であるふくよかさやふくらみがマスキングされるので気を付けてほしい」

――などと課題も語られた。

【第11回雄町サミット歓評会 優等賞45点 一覧】
◆区分1=吟醸酒

利守酒造(岡山) 赤磐雄町生
平喜酒造(岡山) 超特選 喜平 純米大吟 雄町の雫
宮下酒造(岡山) 極聖 純米大吟醸 髙島雄町
室町酒造(岡山) 櫻室町 純米大吟醸 ゴールド 雄町米の里
南部美人(岩手) 南部美人 純米大吟醸 雄町
阿部勘酒造(宮城) 阿部勘 雄町 純米吟醸
新澤醸造店(宮城) 伯楽星 純米吟醸 雄町
日の丸醸造(秋田) 純米大吟醸生詰原酒 まんさくの花 雄町酒
寿虎屋酒造(山形) 霞城寿 大吟醸 雄町
東北銘醸(山形) 初孫 巧実 純米大吟醸
麓井酒造(山形) フモトヰ 純吟雄町
高橋庄作酒造店(福島) 会津娘 純米大吟醸
青木酒造(茨城) 御慶事 純米吟醸 雄町
森島酒造(茨城) 大観 雄町 純米吟醸
結城酒造(茨城) 結ゆい 純米大吟醸
武勇(茨城) 純米吟醸 なごやか
外池酒造店(栃木) 望BO:純米大吟醸雄町
虎屋本店(栃木) 七水 純米吟醸 55 雄町
龍神酒造(群馬) 龍神 純米大吟醸 雄町
町田酒造店(群馬) 町田酒造55 純米吟醸 雄町
笹一酒造(山梨) 「旦」山廃純大備前雄町
富士錦酒造(静岡) 富士錦 純米大吟醸 雄町
神沢川酒造(静岡) 正雪 純米大吟醸 備前雄町
土井酒造場(静岡) 開運 純米吟醸 雄町
渡辺酒造店(岐阜) 蓬莱 赤磐7 家宝伝承酒
九重雑賀(和歌山) 雄町 純米吟醸 雑賀
相原酒造(広島) 純米大吟醸 雨後の月
川鶴酒造(香川) 川鶴 純米吟醸 雄町
石鎚酒造(愛媛) 石鎚 純米吟醸 雄町50
富久千代酒造(佐賀) 鍋島 純米吟醸 雄町

◆区分2=純米酒(精米歩合60%以下)
萩野酒造(宮城) 日輪田 山廃純米雄町
中勇酒造店(宮城) 花ノ文 特別純米原酒 雄町
川敬商店(宮城) 橘屋 特別純米酒 雄町
青木酒造(新潟) 鶴齢 特別純米 瀬戸産雄町
大澤酒造(長野) 明鏡止水 純米雄町
静岡平喜酒造(静岡) 喜平 静岡蔵 純米酒 限定謹醸 雄町
松本酒造(京都) 澤屋まつもと 守破離 雄町
平和酒造(和歌山) 紀土―KID- 無量山 純米酒 雄町

◆区分3=純米酒(精米歩合60%超) ※は熟成酒の部門への出品
車多酒造 (石川) 天狗舞 純米大吟醸 ※
菊池酒造(岡山) 燦然 特別純米 雄町山廃
辻本店(岡山) gozenshu the silence Clean Reverb
日の丸醸造(秋田) 純米 まんさくの花 雄町70
天山酒造(佐賀) 七田 七割五分磨き 雄町 ひやおろし
虎屋本店(栃木) 七水 純米酒 70 雄町
奥藤商事(兵庫) 忠臣蔵 生もと純米 雄町 ※

〈酒類飲料日報 2019年8月2日付〉