サッポロビールは8月22日、東京渋谷区の同社本社で「サッポロ 麦とホップ」リニューアル発売決起集会を開催した。報道を対象に、フルリニューアルについて髙島英也代表取締役社長、野瀬裕之取締役常務執行役員営業本部長、天野仁取締役執行役員生産技術本部長が解説。髙島社長は、「ビールに近いというところを徹底的に強調していきたい」とし、消費増税前のフルリニューアルで節約志向に対応する新ジャンルに力を入れる考えを示した。

※新ジャンル=ビール・発泡酒を除くビールテイストのアルコール飲料。第3のビール。
左から天野執行役員、髙島社長、野瀬常務

左から天野執行役員、髙島社長、野瀬常務

8月27日のフルリニューアルでは、同社の新ジャンルで初めてビールの伝統的な仕込み方法である「1回煮沸法」を採用、天野生産技術本部長によると「煮沸で、麦の持っている雑味が除去されて少なくなる」ため、ビールに近いすっきりした後味が実現できたという。パッケージは現行デザインから、瓶ビールのラベルを想起させるデザインへ変更しビールらしさを表現。「SAPPORO」を大きく表示し本格感を向上させた。店頭では黄色をキーカラーに店頭で販促物を設置。また、香川照之さんを新CMキャラクターに迎え、ビールに近い味わいを新ジャンルに求める50代男性にアピールしていく。

香川照之さん出演「サッポロ 麦とホップ」CM「朗報篇」

香川照之さん出演「サッポロ 麦とホップ」CM「朗報篇」

決起集会の冒頭、髙島社長は「サッポロビールは2015年から好調で、課題は新ジャンルだ。激烈なマーケットではあるが、創業以来の得意分野である原料部門の強みを生かし、麦とホップだけで作った新ジャンルを2008年に発売し、ビールと間違うほどのうまさというコンセプトで人気を得た」と説明。「近年は過酷な競争の中で、ニュースが少なかったかと思う。時間をかけて丁寧に試作を繰り返し、中身をリニューアルし、もっとビールに近い味を実現した。コミュニケーションは原点に返って、ビールに近いというところを徹底的に強調していきたい」と語った。
 
続いて野瀬本部長がビール全体と新ジャンル市場の動向などを説明した上で、フルリニューアルの戦略を解説した。今年の1~7月のビールカテゴリーの総需要が95%と減少する中、同社は102%と好調、黒ラベル缶102%、サッポロラガー計111%、サッポロクラシック計113%とビールが好調な現状を説明した。また、ビールカテゴリーを2015年と2018年で比較した場合、総需要は9.9%減に対し、同社は出荷を2.4%伸ばしている。
 
新ジャンルについては、同社の2003年ドラフトワン発売からの歴史を解説。2003~2008年までに各社の定番品が出そろう中、2007~2010年を「第1次“ビールに近い”競争」と位置付けた。「第1次ビールに近い競争をやっていた中で、麦とホップは発売当初のコピーとして“私にはビールです”、2008年は“ビールと間違えるうまさ”としてアピールしてきた」と同商品の登場を紹介した。2010年ころまでに新ジャンルの市場が確立、以降は多様化が進み、色や機能性、糖質オフ、プリン体ゼロなど各社第2ブランドの模索が続いた。
 
その後、2018年にキリンビールの本麒麟が発売されたことがきっかけとなり、現在は「第2次“ビールに近い”競争」で、「新ジャンルはまだまだおいしくなる」という期待が顕在化したという。野瀬本部長は、「さらに進化をさせていきたい。新しい麦とホップを提案することで第2のビールに近い競争を勝ち抜きたい。そのためのリニューアル」としている。
 
リニューアルの背景については、「今年の10月に消費税増税があり、安いものを賢く買いたいというニーズは顕在化してくるだろう。また、ビール類酒税一本化が段階的に始まっていく。市場での価格差は近づいていくが、価格差そのものは残ることが確実視されており、新ジャンル市場は残っていくだろうと考えている。その中で、お客様はもっと美味しいものを求めていくだろう。新ジャンルへの期待は、高まってくる。これにどうこたえるかが私どもがやらなければならないこと」と語った。前回の消費税増税前にも直前にリニューアルを行い、節約志向の高まりとあわせて支持を得たという。
 
〈酒類飲料日報 2019年8月26日付〉

「サッポロ 麦とホップ」

「サッポロ 麦とホップ」