グランフロント大阪・うめきた広場に「クラフトビアガーデン」、幕末のビール「幸民麦酒」も提供

「クラフトビアガーデン」メニュー例
キリンビール近畿圏統括本部は7月9日、大阪市北区の複合商業施設「グランフロント大阪」の「うめきた広場」内に「CRAFT BEER GARDEN OSAKA(クラフトビアガーデン)」をオープンした。

11月23日までの期間限定で開催する。同社は2013年から、期間限定の「一番搾りガーデン」を同所で例年開催してきた。今年は「キリン一番搾り生ビール」に加えて、「Tap Marche(タップ・マルシェ)」で取り扱う12種類以上のクラフトビールと、関西のクラフトブルワリー7社の参画によるゲストタップも提供する。また、食感や香りにこだわった20種類以上のフードメニューも用意されており、多様なビールとのペアリングも楽しめる構成となっている。

同ビアガーデンは、当初は大型連休前の4月24日オープンを予定していたが、コロナ禍で延期を余儀なくされた。席数は例年の約半分となる76席。客同士が対面とならないよう、全席が同じ方向を向く配席となっている。また、隣席との間やレジにアクリル板を設置し、客同士、客と店員間の感染防止策を徹底している。昨年来店者数は7万人だったが、今年は3万人程度を目標に営業する。

キリンビール近畿圏統括本部の竹内博史執行役員統括本部長は開催に際して、「コロナ禍で制約がある中だが、飲食店の盛り上げにも繋げたいということでオープンした。業務用や外食事業は苦戦している状況だが、元気感を発信したい」とあいさつした。

クラフトビールに焦点を当てた背景については、「クラフトビールの伸長が著しく、タップ・マルシェを展開する中でも、お客様から支持されていると感じる。クラフトビールが入り口となって通常のビールの魅力が更に増したという側面もある。今回は、関西のクラフトブルワリー7社の協力で、約2週間ごとに追加の1種類を提供してもらえることとなった。地元企業、外食企業など、大いに地元を盛り上げたい」と語った。

〈クラフトビールがビール市場を活性化〉
同社によると、クラフトビール市場は2016年時点の37,000KLから20年は48,000KL(見込み)まで伸長しており、2026~2027年にかけて販売数量ベースで日本のビール類市場の2~3%を占めるまでに成長すると見ている。19年時点の同社調査によると、認知度は15年の63%から90%に、飲用経験率は同年の15%から42%まで向上している。

キリンビールが提案する「タップ・マルシェ」は、1台で4種類のビールの提供が可能な小型ディスペンサーで、2019年末時点で取扱店舗は全国13,000店を突破した。同社は14年以降、「よなよなエール」などで知られるヤッホー社や、世界No.1輸出クラフトブルワリーのブルックリン・ブルワリーとの業務提携、スプリングバレーブルワリー(島村宏子社長)の立ち上げなどを通して、クラフトビール事業におけるブランド創造に取り組んでいる。「タップ・マルシェ」では更に、国内外のブルワリーとアライアンスを組んで展開している。

〈“幕末のビール”「幸民麦酒」も登場〉
ゲストタップとして7月9日~26日まで“復刻版 幕末のビール”「幸民麦酒(こうみんばくしゅ)」を提供する小西酒造の小西新太郎社長は、「コロナ禍で大きくダメージを受けている業務用にプラスになる上、ビール愛飲者にとっても屋外で大いに飲める場所となる。クラフトビールは、飲食文化をはじめ地域文化を反映して様々な種類がある。ビールの多様性と魅力の再発見の機会にしていただきたい」と語った。

また、「幸民麦酒」について、「元は化学者だった川本幸民という三田藩の藩士が、ビールを飲んで感銘を受けて日本人として初めて作ったビール。そのビールには、日本酒の酵母を使用したのではないかと言われている。これを再現したビールを、今回ゲストタップとして扱ってもらう」と紹介した。

左から、スプリングバレーブルワリー・島村宏子社長/キリンビール近畿圏統括本部・竹内博史執行役員統括本部長/小西酒造・小西新太郎社長

左から、スプリングバレーブルワリー・島村宏子社長/キリンビール近畿圏統括本部・竹内博史執行役員統括本部長/小西酒造・小西新太郎社長