コロナ禍で料飲業界が大きなダメージを受ける中、バーならではの価値である「カクテル」をボトリングし、「ボトルドカクテル」もしくは「ボクテル」として販売する動きが活発化している。

7月21日には、関西からまたひとつ、新しいブランド「C&E」が誕生した。インターナショナルなバーテンダーコンペティション「ワールドクラス」で世界一に輝いた奈良「LAMP BAR」の金子道人氏、金子氏に先駆けて「ワールドクラス」日本代表となった奈良「The Sailing Bar」の渡邉匠氏、そして大阪の洋酒専門店「千雅」代表取締役山本修士氏の3人がタッグを組み、「究極のカクテルの空間移動」を提案する試みだ。「ボトルドカクテルはこの時代だからこその取り組み」という渡邉氏に話を聞いた。
「C&E」誕生に携わった、金子道人氏・渡邉匠氏・山本修士氏

「C&E」誕生に携わった、金子道人氏・山本修士氏・渡邉匠氏

渡邉氏と金子氏は、18年来にわたり、カクテルコンペに向けてトレーニングを重ね、海外のイベントにも参加してきた「仲間」だ。コロナ禍で、誰もが行動が制限される中、「自宅でも本格カクテルを楽しめる素敵な体験を提案したい」「いつでも、どこでも、本格的なカクテルを楽しめる“新しいバー体験"を提供したい」という思いを共に、免許や資格に詳しい山本氏に参加を依頼した。
 
ふたりの職場がある奈良県には、「コーヒー豆焙煎」日本チャンピオンに選ばれた焙煎士が営むカフェがある。通販でのコーヒー豆販売も好調とのことで話を聞きに行き、カクテルにも可能性はあると確信したそうだ。
 
ブランド名の「C」はもちろんカクテルの「C」だが、「E」には「Excellence」「Extreme」「Experience」の意味を込めた。「バーテンダーの作るエクセレンスなカクテルの極地のような体験を自宅で体験してほしい」との思いが込められている。
 
「バーにいるように楽しんでいただきたい」と、ベーススピリッツや副材料も多彩な味わいを6種類そろえた。いずれもこの企画のためだけに考案した「シグネチャーカクテル」だ。
 
さらに、カクテルにあわせてバーテンダーが最適なグラスを選ぶように、ボトルシェイプもカクテルに合わせて6種類を用意。カクテルの名前にも、「get over」「connect」など、「コロナ禍を皆で乗り越えたい」との思いを込めた。
 
〈いつでも、どこでも「時空を超えた」本格カクテルを楽しんでほしい〉
とはいえ、完成までには様々な困難があった。カクテルにおいてはプロでも、「ブランドの立ち上げ」は未知の領域だ。コンセプトや名前、デザインの構築に加え、家で飲むことを前提にグレードアップさせたカクテルの魅力をどう伝え、どう形にするか。
 
さらに、「バーで飲むカクテル」の味わいを追求すると、材料の数も増えていく。「今まさに目の前で創られたカクテル」をボトリングしようとすると、6種類のカクテルそれぞれに異なる工程が必要だ。製造所のある京都まで何度も通い、検討を重ねた。100mlボトルは口が小さいため、充填作業も大変だったという。
 
巷にはワンコインで買えるRTDも多く、どう差別化するかは大きな課題だが、「確かに蓋を開ければすぐ飲むことができるのは共通するが、カクテルセットではバーテンダーから飲み方のバリエーションやおいしく飲むためのノウハウをメッセージと共にお伝えしている」。なるほど、RTSの「S」は、カクテルの最終設計図。「SERVE」の部分を飲み手が自由に楽しめるのがポイントだ。
 
カクテルの楽しみ方は無限大。「どれだけ楽しむことができるのか。小回りがきく規模だからこそ、極められた」と渡邉氏は言う。アイテムの詳細は、千雅ECサイトから。
 
今後は、海外・国内バーテンダーのシグネチャーカクテルセットや、バーをイメージした飛び出す絵本にカクテルを飾れるセット、各業界デザイナーとのコラボ等、「新しいカクテル様式」を意識して展開する予定だ。
 
◆千雅ECサイト「C&E COCKTAIL SET vol.1 2020 SUMMER」商品ページ
http://youshuchiga.shop-pro.jp/?pid=152326512

 
〈酒類飲料日報2020年8月3日付〉