“フルーティなタガメの香り”昆虫酒「First Essence Tagame Gin」(タガメジン)、アントシカダと辰巳蒸留所が共同開発

タガメジン「First Essence Tagame Gin with ANTCICADA」(ラベルデザイン:田中健太郎氏)
コオロギラーメンなどのメニューを提供する昆虫食レストランで知られる「ANTCICADA(アントシカダ)」は11月14日、岐阜県郡上八幡の辰巳蒸留所と共同開発した、タガメを使ったクラフトジン「First Essence Tagame Gin(ファースト エッセンス タガメ ジン)with ANTCICADA」を発売した。500ml、税込6000円。305本の限定販売。一部の酒販店で販売するほか、昆虫食レストラン「ANTCICADA」やイベントではドリンクとして提供する。

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ANTCICADAによると、タガメを使った蒸留酒は世界初だという(ただし、同社が2019年に開発に向けて試験蒸留を実施)。

「First Essence Tagame Gin」は、辰巳蒸留所が原酒として使う“粕取り焼酎(酒粕焼酎)”の芳醇な香りと、タイワンタガメの持つフルーティな香り、ジュニパーベリーの爽やかな香りが絶妙にマッチした製品だという。

タイワンタガメは主に東南アジアに分布する水生昆虫の一種で、中国南部やタイなどでは食用とされている。日本に生息しているタガメよりも強い香りを持ち、特に繁殖期のオスのフェロモンは、洋梨や青りんごなどを思わせるフルーティーな芳香が特徴だという。

ANTCICADAでは、タイワンタガメの生息地であり輸入元でもあるタイを現地視察するなど、かねてから食材としてのタイワンタガメの可能性に着目し、積極的に商品開発を続けてきた。

試作を重ねてタガメの最適な処理方法を開発

試作を重ねてタガメの最適な処理方法を開発

 
そして、ベースの酒にジュニパーベリー(セイヨウネズの実)をはじめとした様々なボタニカル(ハーブ・スパイス、果皮など)を漬け込み、蒸留によって香りの良い部分を抽出する「ジン」は最適であると考えた。漬け込みだと原料の味や色・香りの全てがお酒に着くのに対し、蒸留では味や色は取り除かれ、洗練された香りのみを取り出すことができるという。
 
辰巳蒸留所の辰巳祥平氏は、今回の「First Essence Tagame Gin」発売に当たり、以下の通りコメントしている。
 
「昨年に初めて新月蒸留(試験蒸留)したタガメ。フェロモン由来の洋梨香の中にタガメ本体の香りも混じり合う味わいになりました。そして今年はいよいよ本番。ANTCICADAの丁寧なタガメの下処理のおかげで繊細かつ綺麗なタガメ感を実現。タガメのフェロモンの香りを体感したことがある人は、きっとタガメの気配を察知できることでしょう。タガメがわからなくても洋梨は感じられるかも。ボタニカルはジュニパーベリー、そしてタガメだけですよ」。

タガメジンの蒸留に使用する「カブト窯式蒸留器」

タガメジンの蒸留に使用する「カブト窯式蒸留器」

 
なお、昆虫食レストラン「ANTCICADA」では、コオロギラーメンなどのフードメニューのほか、「タガメハイボール(通称タガハイ)」や「コオロギビール」などのドリンクを提供している。
 
〈「First Essence Tagame Gin with ANTCICADA」商品概要〉
◆商品内容 500ml
◆蒸留器 カブト釜蒸留器
◆ベーススピリッツ 吟香露、ちこり焼酎
◆ボタニカル ジュニパーベリー、タイワンタガメ(タイ産)
◆生産本数 305本
◆販売価格 6000円(税込)