コロナ禍における飲食店の時短営業に加え、緊急事態宣言下での酒類提供禁止要請で、業務用比率の高いブランドや業務用樽詰めハイボール、バックヤード大容量商材が甚大な影響を受けている。

国税庁による課税数量の発表はまだ1・2月分だけだが、ウイスキーは前年比22%減。輸入は6%減も、国産が26%減と、居酒屋業態の壊滅的打撃が波及した。

それでもウイスキーにとって業務用市場は、ブランド価値を体感できる大事な接点だ。厳しい状況下でも、「料飲店に寄り添った提案を強化したい」との思いは全社に共通する。

一方、酒類消費が家庭へとシフトする中、量販市場は好調が続く。巣ごもりが長く続く中、「ちょっといいもの」「いつもと違うもの」へと手が伸び、購入金額が上向く流れもある。コロナ禍で活況なECサイトでも、プレミアム商品比率が高いamazonの動きが活発だ。

数字的に見ると今期は、量販店での展開に強い輸入ブランドウイスキーが伸長した。

スコッチ国内販売量No.1の「ホワイトホース」は、「ファインオールド」7%増、「12年」35%増。店頭では大容量品が好調で下支えした。

「ジャック ダニエル」も10%増。新ブランドメッセージ「MAKE IT COUNT(今を、味わいつくせ。)」のプロモーション強化などが寄与した。

「ジョニーウォーカー」が展開するブランド理念「Keep Walking」(前を向いて進む人を応援する)も、閉塞感が強まる中で共感を集め、「レッド」10%増、「ブラック」6%増。

2020年は9割増と急拡大した「ティーチャーズ」も17%増と伸長を続けている。

「12年」と「ホワイトラベル」の2軸展開を開始した「デュワーズ」は3%増、50代以上に高い認知を誇る「カティサーク」も12%増と好調だ。

「ホワイトマッカイ」では、ブランド史上初めてオフへの戦略を開始し、前年比2倍以上に拡大した。

〈リモート蒸留所ツアー好評、ハーフボトル提案も強化/サントリー〉
サントリーは、2021年のウイスキー事業戦略の一つとして掲げた「蒸留所見学の革新で新たな体験創出」を具現化すべく、1月には山﨑・白州の「リモート蒸溜所ツアー」を開始。有料オンラインセミナーは、2・3月が全て完売した。満足度も9割を超え、「非常に手ごたえを感じている」。今後もリアルな蒸溜所見学再開が見通せない中、この取り組みを継続する。

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サントリースピリッツ「リモート蒸留所ツアー」

サントリースピリッツ「リモート蒸留所ツアー」

 
プレミアムウイスキーでは、「碧Ao」「知多」から350mlのハーフボトルを発売。出荷は好調で、配荷店も想定を上回った。
 
既存の「メーカーズマーク」ハーフボトルと共に、「家庭で気軽にプレミアムウイスキーを」と訴求。「ハーフボトる?」をメッセージとした店頭活動やwebプロモーションに加え、「知多」では5年ぶりの新CMを投入。さらに父の日に向け、「メーカーズマーク」でラベルキャンペーンやTV・web広告を予定する。
 
なお、「角瓶」「ジムビーム」は業務用の影響を受け苦戦したが、ハイボール缶は「角ハイボール」11%増、「ジムビームハイボール」12%増と伸長。料飲店からのシフトに加え、料飲店でハイボールを飲んだことがなかった層も取り込んだ。今後は、直接ハイボール缶にエントリーする「缶ダイレクト層」を増やすべく、販促を強化する。
 
〈酒類飲料日報2021年6月10日付〉