小西酒造(兵庫県伊丹市)は6月1日から、立命館大学の協力のもと、一般社団法人SOFIX農業推進機構と共同開発した清酒「超特撰 白雪 純米大吟醸 勝利馬 720ML 瓶詰化粧箱入」(以下「清酒・勝利馬」、税別3,500円、アルコール度数16度以上17度未満)の予約を専用WEBサイトで開始した。6月7日から出荷を開始し、今後販売方法を拡大する予定。初回販売は200本、年間3,600本の販売を計画している。

小西酒造、立命館大学、SOFIX農業推進機構、生産農家の田渕農場は6月1日、オンライン記者発表会を開催し、同社の小西新右衛門社長、同大学生命科学部の久保幹教授、同農場の田渕竹男代表が登壇した。

小西酒造が発売する「清酒・勝利馬」は、食用米として知られるコシヒカリを原料に使用し、低温発酵でじっくり丁寧に醸した純米大吟醸酒。原料米の栽培には、立命館大学の久保教授が開発したSOFIX(土壌肥沃度指標)技術が導入された。

SOFIX技術は、有機肥料のみを使った栽培でも安定的な生産ができるよう、土の中の微生物の働きを可視化・指標化し、科学的な土づくりを可能にしたもの。有機農業、減化学肥料、減農薬を目指すことで、土壌改善、環境負荷の軽減に寄与するとともに、地域の有機資材を活用して物質循環型農業の実現にも貢献する。

「清酒・勝利馬」の原料米の栽培には、安全な有機資材として、日本中央競馬会の栗東トレーニングセンターで育成されている競走馬の馬堆肥が採用された。競走馬の飼育では、ドーピング検査が徹底されており、薬物や餌が厳重に管理されている。このため、競走馬からの馬有機物は、化学物質を含まない有機肥料に生まれ変わる。

〈発想の源は「テロワール」と「原点返り」、輸出にも意欲〉
小西酒造と立命館大学は2013年に共同で取り組みを開始し、同年、同社から第1弾商品「勝馬米」を発売した。第2弾となる「清酒・勝利馬」には、土壌診断を徹底し、SOFIX土壌認定でA評価を得た水田で栽培した米のみを使用。さらに、酒造技術の進化を反映したことで、「芳醇でボディがありながらも味わいのキレの良さがある」(同社)一本に仕上げた。

田渕農場の田渕代表はSOFIX技術に基づく令和2年産の米作りについて、「はじめは緩やかに稲が生育していたのが、温度が上がってくるにつれて微生物の動きが旺盛になり、生育スピードが上がってきたことが印象的だった。化学肥料を使わず、有機堆肥だけで、予定していた以上の収量を確保できた」と振り返った。

原料米にコシヒカリを使ったことについて小西社長は、「米の良さを引き出すには技術がいるため、酒造りの技術を磨くチャレンジの一環でもある。酒造りに適した酒造好適米の山田錦を使用すると、クセの少ないすっきりしたお酒ができ、香りも出やすい。一方、コシヒカリを使うと、ボディ感が出る。それをどう生かすかは、酒造技術にかかっている」と述べた。

その上で、「清酒・勝利馬」について、「米の力を引き出すために、精米歩合は50%にとどめ、アルコール度数はバランスを考慮して16度とした。また、低温発酵、低温貯蔵、瓶詰技術などを駆使した。香りばかりを重視するのではなく、冷やでも燗でも楽しめる酒に仕上がっている」と説明した。

小西社長はまた、「テロワールの発想、そして江戸時代の原点返りの観点から、同取り組みに関心があった。栗東トレーニングセンターの競走馬ということで、話題性もある」と述べ、「国内の競馬場周辺の飲食店などでも是非飲んでいただきたい。また、香港やオーストラリアなどでは競馬が盛んだ。『勝馬米』の海外での評判も良く、酒質も高く評価されている。『清酒・勝利馬』の輸出にも力を入れていきたい」と意欲を示した。

◆小西酒造オンラインショップ(商品ページ)