在宅勤務が浸透する中、“家飲み”でリーズナブルにビール類を愉しむ方も増えている。

サッポロビールの新ジャンル「サッポロ GOLD STAR」の販売が好調だ。新ジャンル市場は、2020年10月の増税以降、前年比マイナスの推移が続いている。1~3月の市場は前年比10%減だ。しかし「GOLD STAR」は前年比9%増、3月単月でも11%増と、飛び抜けた販売実績となっている。このたび「力強いのに、飲み飽きない」味にさらに磨きをかけ、コミュニケーションもブラッシュアップした。ブランドマネージャーの野並祐介氏に好調の理由と方針を聞いた。

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サッポロビール「サッポロ GOLD STAR」ブランドマネージャー・野並祐介氏

サッポロビール「サッポロ GOLD STAR」ブランドマネージャー・野並祐介氏

「GOLD STAR」の発売は2020年2月4日。まさに新型コロナ感染が問題になっていた時期だ。発売当時は、思うようなマーケティング施策をとれなかったが、2021年は大きな手応えを感じる年となった。9月以外は、前年を大きく上回って推移したのだ。 
 
ことしに入ってからは、これまでの方針であった「麦とホップ」との「ツートップ戦略」を転換して、同社新ジャンルの柱として育成する方針を掲げる。そのために、2021年12月製造分から順次リニューアルして「力強く、飲み飽きないうまさ」を更に追求した。
 
「GOLD STAR」の特徴は、「黒ラベル」の麦芽と、「ヱビス」のホップを一部使用していることだが、これは変えずに、「焼津研究所で100通りの製法を試し」た結果、既存品を大きく上回る味わいが実現できたという。パッケージデザインは、金色の星をより大きくして、リボンと一体感を持たせ、ブランドロゴの印象をより強くした。 
 
マーケティングも変更した。一言でいえば“伝達型から共感型”への進化だ。「2021年は原料的な資産、つまり黒ラベルの麦芽、ヱビスのホップを一部使用していることを訴えた。しかし、お客様にインタビューすると、ビール類への関与度が高い方には刺さるが、そうでない方には“よく分からない”となってしまっていた。今回、GOLD STARに対して“苦そう”“濃そう”といったイメージを持つ方々にもお試しいただきたいという狙いがあった。だから、しっかりとした麦の旨味がありながらも、スッキリと残らない、ドリンカブルなビール類なんだということをきちんと伝えていこう」と切り替えた。 
 
つまり「おいしいとまず思ってもらい、次に、“ああ、黒ラベルとヱビスの原料を一部使っているからだね”と分かってもらえれば」という“共感型”だ。「コミュニケーションも含めて、これまでが間違っていたということではなく、狙い通りに支持を頂いているので、ここで商品のステージを上げるということ」。ターゲットも「これまでは30~40代を中心にしていたが、30~60代まで拡げた」という。 
 
広告宣伝も刷新し、「うまい、どこまでも。」を訴える。玉木宏さんと二階堂ふみさんが出演するTVCMや交通広告などを通じて「自然体でリラックスして、自分らしさを大切にする」ことを表現した。YouTubeやスポーツ紙などでも露出し、全体として広告料は増やす方針だ。5月には新キャンペーンも予定している。 
 
〈「全社員の取組みで高みを目指していく」〉
野並氏は好調の要因を次のように挙げる。まずターゲットが拡大して、実際、50代、60代の飲用が増えていること。次に、1回あたりの購入の容量が増えていること、つまり、飲み飽きず、ドリンカブル(飲みやすい味)であることが伝わっている。
 
3つ目に「全社一丸となった営業」だ。「社内では“チャレンジ・ザ・120”という標語を掲げている。GOLD STARはもっと高みを目指していくのだ、という宣言だ。社員が士気を鼓舞し合って成果をあげている」。これにより、最も大事なタッチポイントである売場の露出も最大化できた。 
 
ことしは、前年比28.9%増の730万ケースを計画している。「お客様には、コロナはじめいろんなことがあるが、我慢することなく、もっともっと生活を豊かにしてもらいたい。GOLD STARの、コストパフォーマンスを含めての魅力を伝えていきたい」と力強く語った。
 
〈酒類飲料日報2022年4月18日付〉