サントリービールは6月21日、日本初の炭酸水でつくる自由なビール「ビアボール」を発表した。好きな濃さで自由に楽しむという新たな価値で新カテゴリーを創出する。同社ビール史上、過去最高となるアルコール度数16%を実現した。業務用中瓶(500ml、小売税別862円)は10月4日から、家庭用小瓶(334ml、同698円)は11月15日から全国発売する。

氷を入れ、炭酸水でつくってもしっかりと感じられるビールのおいしさと、時間が経過しても崩れない味わいと香りのバランスが特長。原液が、麦芽本来のうまみと深いコク、フルーティで爽やかな醸造香を持つ。パッケージは、ターコイズブルーを基調に、シズル感のあるビールをイメージしたブランドロゴを中央に配した。

つくり方は、グラス・氷・冷やしたビアボール・炭酸水を準備する。氷をグラスいっぱいに入れて、炭酸水、ビアボールの順に入れる。最後にマドラーなどで軽く1回混ぜたら完成。おすすめは炭酸水3、ビアボール1の割合。アルコール4%になる。炭酸水を入れずに氷とビアボールだけでつくるビアロックも提案する。なお、1対1でアルコール8%、1対7でアルコール2%になる。

サントリービール代表取締役社長西田英一郎氏、同マーケティング本部イノベーション部佐藤勇介氏、商品開発研究部岡島高穂氏が登壇した。

西田社長は冒頭「酒離れ、ビール離れと言われて久しい。ビール類市場は17年連続で前年割れだ。もう一度、ビール市場を活性化させたい。サントリービールの歴史は、麦芽100%や発泡酒の開発、プレミアムビールなど、市場創造への挑戦の歴史だ。今回、需要創造に自信をもって紹介できる。2021年4月にイノベーション部を設立しており、ここが開発した」と述べた。
サントリービール 西田社長(中央)

サントリービール 西田社長(中央)

 
佐藤氏は開発の想いを「ビール市場活性化とともに、未来の酒類市場をつくりたい。MZ世代(ミレニアル世代とZ世代)をコアターゲットとする。 “ビールは早く飲まないとぬるくなって、ゆっくり楽しめない”“ビールはよくも悪くも同じ味わいに感じる”といった声がある。もっと自由で、楽しいビールがあってもいいのでは?という着想から始まった」と語った。
 
マーケット自体も▽スピリッツ・リキュール市場では瓶酒カテゴリーが大きく伸長している▽54%が家庭内で炭酸水割りを経験している▽ゆっくり楽しめる、好きな濃さに調整できるなど“割って飲む”価値が拡がっている――など追い風が吹いているとした。
 
7月から約700店の提供品質にこだわる飲食店での先行発売で優良接点による認知拡大を図る。その後、知見をフィードバックして全国展開につなげる。
 
飲食店では「小分けボトル瓶」に入れて、4杯くらい楽しめるよう提供。1杯につきビアボール50ml、炭酸水150mlを想定。家庭用では1対3のメモリを入れた特発グラスを付ける予定。こちらはそれぞれ40ml・120mlを想定。飲食店・家庭とも原価を抑えられることも特徴となっている。要冷蔵、抜栓後2週間以内の使用を推奨。
 
〈サントリーのビール醸造技術を結集〉
岡島氏は中味品質について紹介した。狙いのアルコール度数までしっかりと発酵させるためには酵母に糖を食べさせるが、アルコールが高くなりすぎると、酵母は弱くなってしまう。そのため▽選りすぐりの酵母を選抜▽酵母の栄養補給▽徹底した温度管理――の「サントリー式酵母イキイキ製法」を導入した。
 
「しっかりとした麦の味わいを引きだす」「ホップ由来の華やかな香りを引き出す」「上面発酵により爽やかな醸造香を引きだす」――といったサントリーのビール醸造技術を結集した。
 
最後に西田社長が「ビアボール」の中期目標を、2022年は13万ケース(大瓶換算)・23億円、2023年に70万ケース・120億円、2024年に100万ケース・170億円とした。
 
なお、先行体験できる店舗は「b8ta Tokyo-Shibuya」(東京都渋谷区渋谷1-14-11、6月21日〜7月31日)、「ミカン下北」(東京都世田谷区北沢2-11-15、不定休)。大阪の心斎橋にも1店舗用意する。
 
〈酒類飲料日報2022年6月22日付〉