東京市場まつりに2万2千人、福島牛しゃぶしゃぶや銘柄豚の試食に舌鼓

「東京食肉市場まつり2017」が14、15の両日、東京・品川駅港南口の東京食肉市場で開かれた。今回は推奨銘柄牛を「福島牛」とし、風評被害の解消へ、厳しい放射能検査など安全性と、丹精込めて育てられた美味しさを都民にPRした。

市場まつりは、今年で36 回目を迎え、国産牛肉・豚肉の消費拡大、東京食肉市場の認知と役割の理解促進を目的に年に一度特別に市場を開放して開催しているもの。15日の日曜日はあいにくの雨模様だったが、2日間で2万1,869 人が入場した。来場者は、福島牛しゃぶしゃぶ、モツ煮込み、銘柄豚のとんかつに舌鼓を打っていた。販売でも開場と同時に100人単位の列ができ、2日間で5t(5千パック)を完売する店舗もあるなど盛況だった。

14日には会場内のイベントステージで、相馬野馬追の勇壮な法螺貝によるオープニングセレモニーが始まり、市場まつり実行委員会の小川一夫会長が、「今回で36回目を迎えるが、今年は福島県が協賛しており、福島牛のしゃぶしゃぶ、銘柄豚のとんかつなどを来場した皆さんに召し上がっていただく。秋の1日、食肉市場まつりで楽しんでいただきたい」とあいさつした。福島県を代表して内堀雅雄知事が「福島県の復興へ多大なご支援をいただき感謝に堪えない。福島牛は福島の美しい大地で丹精込めて育てられた。全農枝肉共励会では名誉賞をはじめ上位を独占、先日、宮城県で開催された全国和牛能力共進会でも産肉能力で東日本1位になるなど多大な評価をいただいている。福島は選りすぐりの農産物、お酒などいずれも自慢の品々、雄大な自然、多くの温泉などがあり、ぜひ、足を運んでいただきたい」と、福島牛の美味しさに触れてあいさつした。

その後、食肉市場センタービル会議室に場所を移し、開会式(感謝の会)が開かれた。最初に実行委員会の小川一夫会長が、「牛・豚の飼養頭数は増加も、厳しい集荷競争が続く。またグローバル化が一層進み、国際基準に合わせた安全管理、品質確保が必要となる。2019年ラグビーワールドカップ、20 年の東京オリンピック・パラリンピックと訪日外国人の増加が見込まれる。その中で、国際基準に則ってHACCPの導入が不可欠だ。導入への取組みのスピードを速め、都民の皆さんの負託に応える市場作りを目指す。今回は、福島牛の試食や販売を通して福島牛への理解促進と需要拡大に取り組む」とあいさつした。

〈畜産日報2017年10月17日付より〉