オランダから豚肉輸入25周年、日鉄住金物産とVION社が記者懇談会

〈両社のトップが感謝状交換、日EU・EPA発効後は豚肉輸入量5万tを目指す〉

日鉄住金物産とオランダのVION FOOD GROUPは17日、東京・千代田区のパレスホテル東京でオランダからの豚肉輸入を開始して25周年を記念して記者懇談会と取引先を招いた懇親会を開いた。オランダ大使館からアート・ヤコビ駐日オランダ王国大使(=写真中)らも参加し、日鉄住金物産の樋渡健治社長(=同左)とVION FOOD GROUP のフランシス・キントCEO(=同右)が、長い関係に感謝を示し感謝状を交換した。

当日は、VION FOOD GROUPの経営トップらとオランダ現地サプライヤーである養豚農家も来日し、質疑応答では、日EU・EPA発効後のオランダからの豚肉輸入の目標を問われ、日鉄住金物産の食糧事業本部担当執行役員西村裕明氏が「近い将来、現在2万4千t(2016年)の数量を5万tまで引き上げることをVION社と確認している」と説明した。

フランシス・キントCEOは、「日本市場は私たちの国内市場であるオランダとドイツとともに、最も重要な市場だ」と強調。日本市場の求める品質基準がより良いものを作り出すための刺激となり、最も高く評価してくれる市場であるとしている。そのうえで、「特に重要なのが長期的に友好な関係があること」だという。日鉄住金物産との関係については「私たちはまさにパートナーシップと呼べる関係にある。取引は成功しなければならないが、困難なときが関係をパートナーシップへと発展させる。その関係になると、双方で利益を奪い合うのではなく、一緒に価値を創造することに関心が移る」と紹介した。VION社の取組みを「企業として、バリューチェーンを担うものとして、動物愛護、トレーサビリティ、商品の健全性、天然資源の持続可能な利用、消費者の健康など社会的課題に率先して対応すること」をCSRに要約したという。

日EU・EPAで可能となれば日本へ牛肉輸出も行いたい考えという。「豚肉の高品質基準は牛肉にも適用され、環境に与える負荷が世界で最も低い牛肉生産であると証明されている。来年初めにはオランダ北部に工場を新設する予定だ」という。

樋渡社長は、「25周年を迎え、お互いを熟知した関係にある」とし、「日本の顧客満足度の向上とVION社の工場採算性が両立する努力を重ねてきた。このような協業の歴史があるからこそ、日本向け輸出の大半をわが社が担う実績につながっていると考えている。日本の輸入豚肉市場では“VIONといえば当社”という信頼感をもっていただけるようなっており、VION社は当社の戦略的パートナーの1社だ」と紹介した。

冷凍豚肉輸入量50万tのうち、オランダからの輸入量は2万4千tと4.8%のシェアとなる。シェア拡大へ向けたスライス加工などの一次加工品の共同開発なども紹介した。日EU・EPA発効で輸入メリットが高まることが見込まれるなか、「当社の確固たる生産基地となるVION FOOD GROUPとの関係強化は当社にとっての喫緊の課題だ」と語った。質疑応答では、オランダの豚肉の優位性を問われ、フランシス・キント氏が「大学も含め産学共同で輸出をサポートする仕組みが出来上がっている。安全性にフォーカスしており、それによって優位性が確保されている。農家の方が今日来てくれているように、サプライチェーン全体としてそのシステムを担保する仕組みが出来上がっている」と説明。

日EU・EPAの発効後のオランダからの豚肉輸入については、西村氏が「関税の引下げによって、大きく商品構成が変わるということではないと考えている。正肉以外の製品の引下げが大きく、調製品は大きくメリットが出ると考えている」とし、数量目標については「2万4千tの輸入量を5万tに引き上げることをVION社と確認している」と説明、発効後数年で5万tへの増加を目指すとしている。記者懇談会の後には、日本の顧客などを招いた懇親会「オランダ産ポーク対日輸出25周年感謝の夕べ」が盛大に開かれた。

〈畜産日報2017年11月21日付より〉