肉専子牛の生産費2.4%増加、労働時間の増加で労働費6.2%増

〈肥育去勢は7.1%増、素牛相場高を反映してもと畜費は14.4%増〉

農水省が5日に公表した16年度の肉用牛生産費によると、子牛(肉専用種)1頭当たりの全算入生産費(資本利子・地代全額算入生産費)は60万4,734円で前年度から2.4%増加し、60万円台に乗った。また去勢若齢肥育牛は114万6,901円で同7.1%増と2年連続で100万円台となり、6年度連続で前年実績を上回った。費用増加要因としては、子牛は労働時間の増加(128.98時間、4.8%増)による労働費の増加が、肥育牛はもと畜価格の増加によるもと畜費の増加(66万9,604円、14.4%増)が挙げられる。

子牛の生産費では、種付料が2万2,538円で同3.0%増加、飼料費も21万9,716円で同2.0%増加となった。飼料費のうち流通飼料費は同2.8%減の14万2,711円だったものの、牧草・放牧・採草費が7万7,005円で同12.1%も増加した。また労働費については、繁殖雌50頭以上の規模では0.6%増の11万5,530円とわずかな増加に止まり、費用合計もマイナスとなっている。1経営体当たりの繁殖雌牛の飼養月平均頭数は13.9頭で同2.2%増、繁殖雌牛評価額は48万5,440円で同2.5%増だった。

去勢若齢肥育牛のうち200頭規模以上のもと畜費は68万4,633円で15.6%増加した。また、飼料費は30万4,977円で同5.9%減、うち流通飼料費は30万3,224円で同6.0%減、牧草・放牧・採草費が1,753円で10.9%増加した。また200頭規模以上では飼料費が29万274円で同8.0%減となり、うち流通飼料費は28万9,778円で同7.8%減、牧草・放牧・採草費が496円で12.8%減となっている。肥育牛の平均販売価格は131万3,694円で同8.8%増加し、5年連続で前年を上回った。肥育牛1頭当たりの投下労働時間は52.07時間で0.7%増加している。

〈畜産日報2017年12月6日付より〉