〈生産者から畜産クラスター家族経営利用、牛・豚マルキン早期補てん率引上げの声〉

自民党は11日、畜産・酪農対策委員会(赤澤亮正委員長)を開き、委員長らが8~10日にかけて行った北海道と南九州の現地調査の概要を報告、また畜産物価格と関連政策決定へ向けた各団体からの要請を聞き取ったうえで議論を行った。

現地視察の報告では、生産者からの要望として、「畜産クラスターを家族経営も利用しやすくしてほしい」、「牛、豚マルキンの補てん率引き上げを早期実施してほしい」などの意見が複数上がっている。全国農業協同組合中央会金原壽秀畜産委員長は「政策大綱ではTPP発効後に牛マルキンの補てん率引き上げとなっているが、このままでは拡充の前に肥育農家の経営が立ち行かなくなる」と危機感を訴え、TPPとは別枠での支援を求めた。そのほか、畜産関係で全国肉牛事業協同組合の中林正悦副理事長、日本養豚協会の志澤勝会長らが要請を行った。次回会合は13日朝、畜産物価格についての取りまとめを行う。

野村哲郎農林部会長は会議の冒頭、「肥育牛経営はマルキンの発動もある中、枝肉価格が安くなっていく。またここへきて子牛価格が上がりだしてきており、尋常では考えられない状況になっている」とし、各畜種でかつて想像もつかなかったような影響が出つつある厳しい状況だと語った。

金原畜産委員長は、牛マルキンなどの経営安定対策の拡充の早期実施、肉用子牛生産者補給金及び肉用牛繁殖経営支援事業の早急な見直し、畜産クラスター事業について「前向きな取り組みを後押しする観点」から十分な予算の確保や支援の拡充を求めた。

中林副理事長は、「農業競争力強化プログラムが構築され、生産資材、とりわけ飼料代について、各メーカーの競争原理が働き単価が下降しはじめている」と報告。地域によって進捗に差があることから、同プログラムのさらなる実効性の向上が必要だとしている。また、①牛肉安定価格等の適切な設定②牛マルキンの財源確保と安定的な運用③経営継続のための金融面における取組の推進――を要請した。

志澤会長は、経済連携協定の進展により豚肉重量税が下がることによって、国内豚価を押し下げることを懸念、次年度に向け①豚マルキンの牛並みの引上げを速やかに実施②養豚チェックオフ法制化へ、全国の養豚生産者の賛同を求める運動への支援、実現に向けた指導③糞尿処理施設や脱臭装置導入への支援、助成④中食、外食の豚肉原材料の原産地表示義務付け⑤豚肉輸出拡大のための政府間交渉、輸出できると畜場やパッカーなどインフラ整備への支援――を求めた。

議論では、前回と同様に、厳しい現状から牛・豚マルキンの補てん率を早期に引上げることを求める意見などが上がった。農水省の説明の後、赤澤委員長は、「畜産クラスターについて、小規模農家が利用できるようにというのはどこへ行っても出てくる話だ。これまで100億円の重点枠などいろんな対応をしてきたが、しっかりと予算額を確保したい。また、携わる人々のノウハウの蓄積など努力していきたい」と語り、議論を締めくくった。

〈畜産日報2017年12月12日付より〉