双日食料が畜産事業のマーケティング会社「ミートワン」を2月に設立

畜産日報2017年12月20日付
〈原料調達、販売、畜肉加工、物流など国内十数社が参画、ノウハウを共有し競争力高める〉

双日(株)の100%出資子会社の双日食料(株)(本社:東京・港区、神岡譲社長、以下SOFCO)は19日、畜産加工品関連のマーケティング会社、(株)ミートワン(本社:東京都港区六本木3-1-1)を18年2月に設立すると発表した。SOFCOが70%以上を出資するほか、残り30%未満を畜肉の原材料調達・販売、畜肉加工、物流に関わる国内十数社が出資する形で合弁契約書を締結した。

今後、ミートワンが中心となり各社のノウハウや技術力を集結。多様化するニーズや課題に対応するほか、原料調達力を高めることにより、安全、安心で美味しい畜肉加工品を競争力のある価格で提供する方針だ。将来的には、成長著しいASEANをはじめとする海外市場にも展開し、参画企業が培ってきた日本の“匠の技術”を伝え、発展させてゆく考え。

新会社の参画企業(株主)には、(株)江戸清、(株)ダイチクフーズ、日本食品(株)、(株)丸和、(株)ミート・コンパニオン、(株)山畜、大東港運(株)、(株)二葉、松岡冷蔵(株)ほか国内十数社が名を連ねており、原料調達から畜肉加工、販売、物流までのすべてのサプライチェーンをカバーしている。このなかでミートワンでは、年々要求度が高まっている需要家ニーズへの対応や商品開発など新たな提案を行ってゆくため、必要に応じて、参画各社が培ってきたノウハウや機能を共有し、複数企業による協力体制を築いてゆく。原料調達面でも、SOFCOと連携することで、海外の有力サプライヤーに対するバイイングパワーを高めてゆく。

設立の背景には、畜肉原料をめぐる国内外のマーケット環境の変化がある。双日食料によると、国内畜肉関連事業者をめぐっては、人口減少に伴う国内市場の縮小や中国をはじめとするアジアの飛躍的な購買力向上、米国産輸入牛肉に対するセーフガード発動などの不透明な原料調達環境に置かれているほか、事業承継難など事業を取り巻く情勢が厳しくなっていると指摘する。畜肉関連事業者が抱える諸課題に積極的に取り組むため、今回、SOFCOが中心となり、新たな合弁会社を立ち上げることになった。

もちろん、これまでのSOFCOおよび各参画企業が持つ販路も従来通り独自性を尊重しつつ、企業単独では難しい加工ニーズへの対応や原料確保などの諸問題を、ミートワンが中心となり参画各社が協力し合ってともに解決してゆくことになる。海外への輸出に関しても、ASEANを中心に広く展開している双日グループのバリューチェーンを生かすことで、海外のCVSや外食チェーンなどに畜肉加工品を展開することも期待できる。

今回の新会社設立について、双日食料(株)畜産原料本部の宗雪健太郎本部長は「畜肉加工を切り口にした国内では新しい協力の取組みといえる。『安全、安心で美味しい畜肉加工品を競争力のある価格で提供する』との理念のもと、参画各社は、経営の独立性を維持しつつノウハウを集結させるとともにバイイングパワーを高めてゆく。将来的には海外市場にも進出してゆく。これからも、ミートワンの機能を高めるべく、この理念に賛同する新たな参画者を募ってゆきたい」と期待感を示している。

〈畜産日報2017年12月20日付より〉