家畜改良センターの牛個体識別全国データベースによると、17年の肉牛のと畜頭数(速報値)は、黒毛和種が前年比0.9%減(対速報値)、交雑種が同6.9%増となった半面、ホルスタイン雄が同4.9%減となり、3畜種合計で0.4%増とほぼ前年並みの出荷となった。

黒毛が前年並~微減で推移するなか、酪農経営での交雑種への交配率の高さを受けて交雑種が増加、その影響でホル雄が減少した格好だ。一方、ことし上半期の3畜種の出荷動向を予想すると、黒毛和種は繁殖雌牛の増頭の効果で前年同期よりも1~2%程度の増加が見込まれる。昨年、増加した交雑はほぼ前年並だが、ホル雄はさらに7%前後の減少が予想される。

牛個体識別全国データベースの17年12月末現在の牛の全国飼養頭数から黒毛和種(雄・雌)、交雑種(同)、ホル雄それぞれの肥育後期の頭数から今年上半期(1~6月)の出荷傾向を予想した。あくまで実数の単純比較であり、年末用の早出しや繁殖向けの保留などは考慮していない。

結果、黒毛和種はこの半年で出荷適齢期を迎える23~28カ月齢の頭数は20.4万頭となり、前年同期の飼養頭数に対して2%増加している。月齢別でも23カ月齢の2.3%減から28カ月は5.0%増の範囲。ただ、26~28カ月齢は12月中に早出しされた可能性も高い。16年(2月1日現在)には子取り雌牛が6年ぶりに増加、17年もさらに増加するなど、繁殖雌牛の増頭に向けた全国各地の取組みにより、飼養頭数の回復に繋がった。

交雑種は、13年下半期から酪農経営で副産物収入のため交雑種への交配率が高まり、それが飼養頭数に影響している。ただ、20~25カ月齢の飼養頭数は各月齢で2%前後の増減がみられ、トータルでは10.6万頭と前年同期比で0.2%減とほぼ前年並みとなった。それでも2010年以降では昨年に続き2番目に多い水準。

ホル雄の13~18カ月齢の飼養頭数は8.8万頭で前年同期比6.9%減となり、同期の月齢範囲の飼養頭数では10年以降、初めて9万頭を割った。酪農経営での交雑種への交配率の増加と乳用後継牛の確保のため性判別精液・受精卵の使用増加の影響とみられる。12カ月齢以下の各月齢も概ね昨対割れとなっており、下半期にかけても同様の傾向が予想される。

これら3畜種の平均と畜月齢(黒毛29カ月齢、交雑26カ月齢、ホル雄19カ月齢)を基に、上半期の出荷を推測すると(17年と畜実績との比較ではない)、1月は前年同月比1%増、2月2%減、3月2%減、4月1%増、5月は前年同、6月3%減――の計算となる。

上半期通して黒毛和種は回復傾向にある半面、交雑が前年並み、そして乳雄の落込みが相殺され、3畜種トータルでは0.7%の微減で推移するとみられる。

〈畜産日報 2018年1月24日付より〉