ブラジルの民間検査施設と食肉処理施設がサルモネラ属菌の検査結果を改ざんして同国農務省に報告していた問題で、厚労省は9日付でBRF社の3工場からの輸入貨物に関してサルモネラ属菌の自主検査を行うよう、各検疫所に通知した。一連の現地報道などに関してこのほどブラジル政府からの報告を受けての措置。該当施設は、日本向け輸出実績のない施設を含む、BRFS/AのSIF424、SIF1001、SIF1010の3カ所。同工場で処理・製造された鶏肉や鶏肉加工品について輸入届出があった際に、食肉はサルモネラ属菌を、食肉製品(非加熱食肉製品、特定加熱食肉製品、加熱食肉製品)は成分規格の検査が課される。食肉からサルモネラ属菌が検出された場合には、検疫所業務管理室を通じて厚労省の輸入食品安全対策室に報告するほか、検疫所から確実に加熱加工されることが確認される。食肉製品でサルモネラ属菌が陽性となった場合、成分規格不適合となるため、食品衛生法違反として処理することが指導される。初回貨物だけではなく、厚労省から通知があるまで継続する。

ブラジル政府によると、14年から15年の間に民間の検査施設や食肉処理施設がサルモネラ属菌の検査結果を改ざんしてブラジル農務省に報告していたという。厚労省によると、これまでに日本向けに輸出された製品は不正がなかったことをブラジル政府に確認しているが、あくまで“念のための措置"という。厚労省では、今後、ブラジル政府からの情報や、これら輸入時検査の結果などを踏まえ今回の体制を見直す方針。また、一連の対応についてはQ&Aで広く周知している。

一方、今回のブラジル現地報道が明るみになって以降の国内輸入鶏肉マーケットは一部現物の唱えが強含んでいるものの一週間が経ち概ね平静を保っている。玉不足のなか現地不正問題で現物相場が上昇した前年の同時期とは状況が大きく違う。今年1月末の推定輸入在庫が15.1万t(前年同月比31.8%増)と多い中、供給量もブラジル現地の船積みは2月こそ2.8万t(同3.6%減)と3万t を下回ったが、1月は3.5万t(同2.6%増)あり、またタイからの輸入量も月間1万t規模となっている。

実際に国産を含めた現物の荷動きも弱く、相場が跳ねるどころか在庫をいかに減らしてゆくかが、国内プレーヤーの目下の問題となっている。一方、今回、検査対象となったSIF1001工場は月産3,500~4,000t規模の大規模工場であることから、今回の現地報道を受けてか、現地の他のパッカーにも動きが現れており、一部パッカーではオファーを取り下げ、別のパッカーでは4月積みの生産玉についてやや強気のオファーを示しているもよう。

とはいえ、日本サイドにとってみれば、「国内在庫が多く、在庫調整が必要になってくるため、強気のオファーを出してもそんなに買い切れない」(卸筋)、「かりに工場を代えるとしてもそんなに生産量を増やせる状態ではない。それでも(末端が)先物を押さえたいのであれば、(現地の強気のオファーを)受け入れるしかない」(商社筋)とする声が出ている。