低需要部位を活用した試食会を開催、出汁スープや調味料など加工品4品/日本食鳥協会

2018年度国産鶏肉新需要創出緊急対策事業試作試食会
〈レシピはササミハムやレバーコンフィなど10種類を紹介〉
日本食鳥協会(佐藤実会長)は22日、東京都内で18年度国産鶏肉新需要創出緊急対策事業試作試食会を開催した。今回で4度目の開催となる試食会では、低需要部位を使った加工品4品と、ささみや手羽もとなどを使ったレシピ10品が試食に供された。

試食会の開会に当たり、佐藤会長は「この度4回目となる試食会だが、開催当初から好評をいただいており、この度のレシピもまさに今後の需要を予測したかのようなアイテムが並んでいる。このように、新たな商品の開発を踏まえて、今後国産鶏肉の需要のさらなる盛り上がりを期待している」とあいさつした。また、食鳥協会と協力して同事業を行う広島大学名誉教授・女子栄養大学教授の西村敏英氏は、「我々が低需要部位を使用した加工品の試作と、その訴求ポイントを科学的に解析することで、加工品がなぜ美味しいのか伝えていくとともに、国産鶏肉のアピールにもつながることを期待している。今回紹介する加工品は“香り”をテーマに、素材による差異を分析した。香りの違いを感じながら楽しんでほしい」と紹介した。

紹介された加工品は、〈1〉地鶏丹波黒どりすき焼き鍋出汁スープ(ヤマモト提供)〈2〉はかた地どりのコラーゲンスープ(福栄組合提供)〈3〉阿波尾鶏の鶏肝調味料(丸本提供)〈4〉鶏もつ燻(鳥梅提供)――の4種類。

阿波尾鶏の鶏肝調味料(丸本提供)

阿波尾鶏の鶏肝調味料(丸本提供)

低需要部位を活用したレシピについて、料理監修を務めた鯉淵学園農業栄養専門学校の長谷川量平教授は、「これまでは家庭で作れるレシピを紹介していたが、今回はプロが使えるレシピということを意識して取り組んだ。また、実際に作るに当たりスチコンを使った調理の仕方、スチコンを使わない調理の仕方、2通りを紹介しているのが今年の特徴となっている」と紹介した。

今回、紹介されたレシピは、〈1〉鶏ささみハム(ささみ)〈2〉鶏ささみとキノコのゼリー寄せ(ささみ)〈3〉鶏むね肉とじゃがいものグラタン(むね肉)〈4〉鶏むね肉のリエット(むね肉)〈5〉鶏レバーコンフィ(レバー)〈6〉鶏レバームース(レバー)〈7〉鶏もも肉のコンフィ(骨付もも肉)〈8〉鶏もも肉の香草パン粉焼き(もも肉)〈9〉鶏肉のパテ・ド・カンパーニュ(もも肉・レバー・ハート)〈10〉鶏手羽もとの赤ワイン煮(手羽もと)――の10種類。

鶏レバーコンフィ(レバー)

鶏レバーコンフィ(レバー)

レシピを考案した(株)ラショナル・ジャパンの岡田浩和シェフは、「レバーなどを調理する際は臭いを取る工夫をしたり、低温調理を取り入れたりと調理方法を工夫し、レシピの半分は惣菜として日持ちするもので考えた」と説明した。

〈畜産日報 2018年3月26日付より〉

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