〈月間平均では税抜き540~550円の展開か、冷凍在庫の消化がカギ〉
7月の豚価は上物税抜きで520~530円で始まり、「海の日」を含む3連休の手当てでヤマを迎えた以降は学校給食も終わるため後半はジリ安の展開が予想された。ところが、連休前の枝肉の手当てを行うタイミングで西日本の豪雨災害が発生、愛知県のと畜場が被害を受けたほか交通網の混乱もあり、西日本方面から関東のカット筋に対して供給依頼が増え、関東周辺市場の相場を押し上げた。さらに、猛暑で出荷頭数や重量が低下したことで下旬はジリ高となり、結果、東京市場の平均相場は上物平均で税抜き603円、中物で同575円となり、上物では当初予想を50円近く上回る高値相場となった。

すでに関東から西日本送りの動きは一巡したものの、70kgを割るものや脂の薄い枝肉など暑熱による出荷への影響が続いており、全国的に上物税抜きで600円台半ばの高値相場となっている。ただ、猛暑で末端消費が低迷しているため、パーツ相場はスソ物中心に価格が上がらず、現状のパーツ相場から換算するとセット単価では税抜きで460~490円と、中間流通にとっては枝高・パーツ安の非常に厳しい状況に置かれている。このため、盆休み明け以降は、実需を反映して昨年以上に相場が下落する可能性があり、上物で一時400円台まで下がると見る向きもある。8月は前半の高値と後半の下落と差が大きく、月間では上物税抜き540~550円(税込580~590円)と前年同月で6%安値と予想する。

[供給見通し]
農水省が7月31日に発表した肉豚出荷予測によると、8月の全国出荷頭数は前年並の131.6万頭と予想している。稼働日数(21日)1日当たりの出荷頭数は6万2,700頭で、前年同月よりも2,800頭ほど少ない見通しだ。さらに、関東をはじめ全国的に例年より早く梅雨明けし、記録的な猛暑が続いていることで、北海道から九州にいたる各産地では増体や受胎率が悪化しているという。各市場では出荷のキャンセルが発生したほか、重量70kgを割るものや薄脂の枝肉も多いという。このため“品質面で"必要分の枝が集まらず、中物も手当てするなどして上中格差も縮小している状況にある。気象庁の季節予報では8月下旬まで猛暑が続くとしており、今後も増体の良くない豚の出荷が続く可能性が強い。

農畜産業振興機構の需給予測によると、チルド豚肉の輸入量は、7月が3万1,500t(前年同月比4.4%増)、8月は3万3,000t(同9.6%減)と引続き3万t台の輸入が続くとみられる。必要以上の極端な買付けはないが、末端消費如何では盆休み明け以降の在庫に繋がる可能性も。

[需要見通し]
記録的な猛暑で豚肉を含め食肉消費は全体に不振感を強めている。さらに学校給食が休みのため、ウデ・モモのスソ物の動きが悪化している。量販店では冷しゃぶの品揃えに力を入れているが、あまりの猛暑で家庭での調理の機会も減っており、盆休み期間中、首都圏の量販店では人口流出で需要増加の見込みは薄い。盆休み以降は、出費増の反動で消費者の節約ムードは一段と強まるものと想定される。パーツをみると、ヒレやスペアリブの動きは堅調で、今週からカタロースとロース、バラといった中部位の動きがポツポツと出てきた。その半面、前述の通りスソ物の動きが不振で、とくにウデは400円台後半、モモで500円前後の唱えも。冷凍在庫も多いため、凍結回しもし難い状況だが、逆に、この間凍結玉が動けば、下旬にかけて豚価の下支えともなり、今後の凍結物の動きはカギとなりそうだ。

[価格見通し]
8月の枝肉相場は、末端消費の冷え込みと出荷減という、相反する要因がどう影響してくるか予想は難しい。ただ、8月前半の豚価は猛暑による出荷が大きく影響している面もある。今後、実需が反映されると盆休み明けから下旬にかけて下落し、前年のそれを上回る下げ幅も考えられる(前年は1週目の650円強から4週目の520円まで低下)。このことから8月の平均相場(東京市場)は、上物税抜き540~550円とみられる。

〈畜産日報 2018年8月2日付より〉