米久が18年秋の新商品、食志向と世帯構成にマッチした商品を提案

新商品「スーパーBOOホワイトあらびき345g」「コンポタソーセージ」
〈ソーセージは夕食の料理具材としての価値訴求、大龍シリーズもリニューアル〉
米久は28日、東京都中央区の首都圏事務所で2018年秋の新商品説明会を開き、今秋~冬向け新商品およびリニューアル商品を紹介した。

簡便化志向や経済性志向の高まり、食の外部化など、食志向や世帯構成の変化に対応、家庭での喫食率の高い朝食および夕食シーンに向けて、「美味しくて満足感のある商品」をテーマにハム・ソーセージ5アイテム、調理食品14アイテム、市販用冷凍食品5アイテムの計24アイテムを紹介した。9月1日から10月31日まで実施する「総額100万円分が当たる!キャンペーン」と同期間中に展開する「御殿場高原あらびきポーク」「スーパーブーBOO ホワイトあらびき」のコマーシャル概要も改めて紹介した。

新商品・リニューアル商品のうち、夕食シーンでは、「スーパーBOOホワイトあらびき345g」「コンポタソーセージ」(ともに新商品)など簡便性の高いソーセージによる「料理具材としての新たな価値」を訴求する。健康志向を背景に好調な「サラダ需要」を加速させる商品として、手間いらずの新カテゴリー「サラダポークダイスカット(プレーン・ペッパー)」(新商品)を提案した。

また、核家族・少人数世帯にも対応した具材を楽しむ鍋商品として、野菜と水だけで本格鍋料理を楽しむことができる2人前の味付け鍋「マザーシェフシリーズ:スンドゥブチゲ鍋・もつ鍋」(新商品)を提案したほか、「鍋つみれシリーズ」では粒のサイズアップや平日鍋として少量パックも用意した。

新商品「マザーシェフシリーズ:スンドゥブチゲ鍋・もつ鍋」など

新商品「マザーシェフシリーズ:スンドゥブチゲ鍋・もつ鍋」など

このほか、今後もさらなる成長が見込まれる簡便・美食志向に向けて、冷凍食品では四川飯店統轄料理長の鈴木広明氏監修の「四川麻婆豆腐」(新商品)、「大龍シリーズ(エビチリ、酢豚、油淋鶏、小龍包)」も縦置きパッケージや酢豚の豚肉を国産豚(ウデ)から米久オリジナルブランド「六穀豚」のモモ肉などにリニューアルし、本格中華商品として提案する。

「四川麻婆豆腐」、「大龍シリーズ(エビチリ、酢豚、油淋鶏、小龍包)」

「四川麻婆豆腐」、「大龍シリーズ(エビチリ、酢豚、油淋鶏、小龍包)」

〈「簡便・時短に対応した商品開発に注力、伊藤ハムとの協働も進める」野口事業部長〉
この日の商品説明会では加工食品事業部事業部長の野口英俊氏と営業本部冷凍食品ユニット・ユニットマネージャー首都圏事務所長の玉井広之氏が会見した。

今回の新商品のテーマについて野口事業部長は、「従来から簡便や時短に対応した商品開発に取り組んできたが、営業サイドからもそうした声が多く、今回、こうしたポイントを厚くした。昨年は『御殿場高原あらびきポーク』など主力商品に注力してきたが、こちらも確りと定番として棚を獲得していく方針だ」と説明。

伊藤ハム米久ホールディングスとしての商品開発の方向性については「米久は米久らしく、伊藤ハムは伊藤ハムらしくそれぞれ商品開発を進めているが、今年から米久に所属していた商品開発の責任者がホールディングス全体の開発責任者に就き、それぞれの特長ある開発技術を共有し、切磋琢磨しながら商品開発を進めている。今秋のリニューアル商品のなかでも『鍋つみれ』は、従来外部の工場で委託生産していたが、今回、伊藤ハムの工場で生産している。この春以降、お互いに商品開発を共有しながら、同じ形態の商品を米久が製造して伊藤ハムが販売する、あるいは伊藤ハムがつくった商品を米久が販売するなど、少しずつ取り組み始めている」としている。

さらに、上期の加工品の進ちょくについては「1QはSMの人手不足など業務用が不振で目標を下回った。2Qはハム・ソー強化の施策で7~8月は回復しつつあり、今後の消費者キャンペーンや秋の新商品で回復し、3Qにプラスに持っていきたい」と意欲を示した。

玉井マネージャーは、冷食事業の状況ついて「09年に参入し、その後、アンゼンフーズ(現米久デリカフーズ)をグループ化してノウハウを取得、12年には伊藤ハムから大龍もグループ化したことで冷食事業の参入のエンジンとなった。『大龍シリーズ』の従来の商品パッケージは横置きだったが、縦型パッケージに変更したことでスペース効率が向上し、小型店舗でも採用できるとの評価をもらっている。今回、『大龍シリーズ』をリニューアルしたほか、四川飯店の鈴木統轄理長の監修を受けた麻婆豆腐を投入した。四川飯店ということで売り場でのお客のフックもより強まるのではないか」と期待感を示した。

〈畜産日報 2018年8月29日付より〉