〈豚肉は大衆的素材、付加価値をつけることがポイントになる〉
公益社団法人全日本司厨士協会は28、29日、香川県丸亀市のオークラホテル丸亀で「第5回AJCA日蘭友好オランダポーク料理コンテスト」を開催した。オランダ農業振興会が協賛し、オランダ産ポーク「風車豚」をテーマ食材として提供、フードサービス市場での認知度向上と普及促進を図る。司厨士協会所属の35歳以下のシェフを対象としている。コンテストは、28日に指定食材を開示、1時間以内にメニューを提出、29日午前8時にレシピを提出、9時から指定時間まで冷製料理、温製料理、デザートの3品を提出する。

競技後には表彰式が行われ、総合1位の香川県知事賞・オランダ賞は愛媛県のグレイスガーデンアルベラの長尾翔太氏、オールドイングランド道後山の手ホテルの藤原誠氏が受賞した。受賞したメニューは「マナガツオのロールとエスカベッシュ柑橘ソース」「豚ロースの煮込みとはだか麦のコロッケマスタードソース」「シャインマスカットのタルトとオレンジのムースラズベリーとアングレーズソースで」。
シェフ2名のうち左=長尾翔太氏、右=藤原誠氏

シェフ2名のうち左=長尾翔太氏、右=藤原誠氏

長尾氏は、「職場が結婚式場なので、豚肉をほとんど使わない。使ったことのない素材だったので、楽しんでやれた。豚肉は苦手な人が少ない、大衆的な素材なのでレストランでは値段が付けにくい。付加価値を付けることがポイントになる」とコメントした。表彰式ではオランダ農業振興会の塚田務代表(=写真〈上〉右側)が協賛者として「コンテストで使用したロースは、オランダVION社が、日本の料理人に使用してもらうために開発した。オランダの豚生産は世界でも有数な先進国で、日本の生産量と同等となる。VION社では日本の食事に合う品質の高い豚を生産している。四国地方でも使用してほしい」とあいさつした。

来賓のオランダ王国大使館農務参事官のエバート・ヤン・クライエンブリンク氏は「オランダ豚肉業界は欧州に限らず、世界をけん引している。オランダは安全で高品質な豚肉を生産している。オランダの消費者は日本同様、目が厳しく、持続可能な商品への要求は高く、味へのこだわり、手の届く価格であることを重視している。食品安全、品質、価格のいずれも妥協しない。オランダの集約的家畜産業は近年、社会の注目を浴びており、動物福祉や超大型畜舎、公衆衛生、環境、生物多様性への関心が高まっている。食物生産における動物衛生への配慮、非遺伝子組み換え大豆など持続可能な家畜飼料の使用、水の使用への配慮に対して効果的な取組みが進んでいる。食べ物は環境面でも重要な役割を果たしている。生産過程が透明で安全である必要があり、環境負荷をかけるべきではない。オランダは動物に配慮した食肉生産国として誇りを持っている。日EU・EPAの発効で日本にますます多くのオランダ産豚肉の輸入が見込まれる」と述べた。

懇親会ではオランダ風車豚を生産しているVION FOODS Groupセールスディレクターのエリック・ディ・ヨン氏が「日EU・EPAが発効されると、日本とEUの関係が強化される。VIONとしても重要で、日本での取引も拡大していきたい。2017年の日本の豚肉輸入量は90万tで、そのうちオランダからは2万8,500tと約2.7%しかない。ただ10年前と比べれば輸出数量は2倍以上に増加している。シェフにオランダ豚を食べてもらい、日本での消費拡大を図っていく」と今後の消費拡大に期待を寄せた。

〈畜産日報 2018年8月31日付より〉