〈前半は500円台後半、下旬は400円台の展開か〉
この夏場の豚価は、例年より早めの梅雨明け、記録的な猛暑や西日本を中心とした集中豪雨など天候に振り回された。8月上旬は猛暑で出荷キャンセルや重量70kgを割る枝肉も多いなど必要分の枝が集まらず、上物税抜きで650円台を超える日も見られた。一方、末端消費は学校の夏休みでスソ物の動きは鈍ったものの、ロース、バラ、カタロースの中部位は堅調な売れ行きとなり、盆休み明け以降もソコソコの動きを見せた。とはいえ、猛暑による消費減退や輸入チルドとの競合もあり、月後半は出荷頭数が増えていないのにも関わらず、豚価格は右肩下がりで推移した。当初、月間平均で540~550円が予想されたが、前半の豚価高もあり、東京市場の月間平均は上物で569円、中物で538円となった。

気象庁によると、9月は1週目こそ残暑の日があるものの、それも2週目には落ち着き、連休が続く後半には秋らしい気候となり、北日本では平年よりも低い日もある模様。このため月後半にかけて出荷頭数が増えるという例年通りの供給パターンとなりそうだ。後半の豚価の動向によっては農家の早出しも予想される。今月の豚価は、出荷がどのタイミングで増え出すかがポイントとなる。前半は上物税抜きで500円台後半での高値を維持し、月末にかけては500円割れまで下げるが、月間平均では540~550円と前年よりも20円ほど下回ると予想する。

[供給見通し]農畜産業振興機構の市況速報によると、8月の全国と畜頭数(推計)は120.5万頭となった。実際は128万頭程度と考えられるが、それでも3%ほど前年よりも少ないとみられる。8月最終週も1日当たり6万頭割れの日も多く、9月はその反動も予想され、前半は流動的となっている。農水省が7月31日に発表した肉豚出荷予測によると、9月の全国出荷頭数は前年比2%減の128.8万頭と予想している。今年は3連休が2週続くため、稼働日が18日と前年よりも2日少なく、稼働日数1日当たりの出荷頭数は7万1,600頭(前年同月は6万5,500頭)となる。7月から8月半ばに見られた猛暑による増体率の低下は、すでに東北の産地では重量もしっかり乗っている半面、関東など産地では回復しておらず、産地によってバラツキが生じている状況にある。このため、月後半は朝晩の気温の低下に伴って出荷が大きく増えることを見越して、今週末から来週にかけて早出しの動きが出てくる可能性もある。

農畜産業振興機構の需給予測では、9月のチルド豚肉の輸入量は、前年同月比1.6%増の3万1,900tと多く、9月も末端の量販店の販促は、引続き輸入チルド中心に展開されている模様だ。

[需要見通し]8月の豚肉の末端需要は、学校の夏休みでスソ物の動きは弱いものの、ヒレは玉少なく堅調で、ロース、カタロース、バラの中部位も好調に推移した。例年、盆休み明けはロースの需要が鈍る時期となるが、今年はロースやカタロースはソコソコ動いているようだ。その半面、バラは動きが鈍化し、一部ではロース、カタロースの動きが悪く、投げに近い玉も出ているようだ。9月に入り会社によって動きにバラツキがあるものの、中部位の動きは一服感が出ているようだ。逆にこれまで不振だったスソ物は給食需要が始まり、量販店での切り落とし需要で動きは好転しつつある。ただ、来週以降、秋らしい気候になるにつれて量販店の棚替えが早まれば、バラなどスライス需要に期待もでき、今後の気温動向が注目されるところ。

[価格見通し]9月の豚枝肉相場は、前半から中盤にかけての出荷動向が読み難いため、不透明感が強く、とくに早出しを含めて出荷がどのタイミングで増え出すかがポイントだ。3日の東京市場の相場は上物税抜きで481円を付け、関東3市場でも496円を付けたが、前半は前月末からもちあい絡みで推移し、上物税抜きで500円台後半を維持するが、「敬老の日」の16日の週から急落し、出荷動向によっては月末には400円台半ばまで下落する可能性もある。前年9月の平均相場は565円を付けたが、今年はやや辛く見積もって平均540~550円と予想される。

〈畜産日報 2018年9月4日付より〉