スターゼングループが福島県本宮市にハンバーグ新工場竣工、月間350t生産

スターゼン食品 本宮工場
〈総合食肉メーカーへの脱皮を図るシンボル的な工場、中食・外食・量販店の惣菜に〉
スターゼングループのスターゼン食品は19日、福島県本宮市に建設を進めていたハンバーグ製造工場の「本宮工場」が完成し、竣工式を行った。

ハンバーグ市場は調理現場の人手不足、共働き夫婦や単身者の調理の時短ニーズなどを受けて近年、堅調に推移している。こうしたなか、スターゼングループは、外食・中食を中心に主力加工食品であるハンバーグの需要開拓を進め販売数量を拡大してきた。

スターゼン食品は、千葉県山武市に松尾工場を持ち、焼成ハンバーグを供給してきたが、さらなる生産能力の増強を目的に昨年4月から工場の建設を進めていた。投資額は約30億円。現在、テスト生産を行っており、10月1日の本格稼働を目指している。焼成ハンバーグのみを生産し、生産能力は月間350tに上る。

スターゼングループの食肉加工品製造工場としては、30年ぶりの新設となる。同グループでは、昨年10月に18年4月から21年3月末までの3年間の中期経営計画を策定しており、基本戦略の第1に「総合食肉加工メーカーへの挑戦」を掲げている。今回の本宮工場は「スターゼングループが総合食肉メーカーへ脱皮を図るシンボル的な工場」(スターゼン寺師孝一専務)の位置づけだ。

会見でスターゼン中津濵健会長兼社長は「当グループは、豊富な国内外の原料を生かして全国のお客様にハンバーグを届けていく。現在、当社の扱い比率は食肉80%、食肉加工品20%だが、これを70%:30%、さらには60%:40%と加工食品の割合を高めていきたい」と述べた。スターゼン食品の鶴岡孝治社長は、工場の特徴について「生産能力は月間350t、これにより自社工場での生産能力は従来の1.5倍となる。焼成機、オーブンはともに単体で温度・時間コントロールができ、外食調理と同等の香ばしさや風味が出せる。様々な顧客の要望に対応が可能となる。トンネルフリーザーは、スーパージェット急速凍結システムを採用し、短時間での冷却、凍結が可能。肉の中の氷結晶を最小限に抑え、組織細胞の損傷を抑えることができる。すでに、ファミリーレストラン、居酒屋、CVS、量販店スーパー、給食などへの販売が決定している」と説明した。

〈畜産日報 2018年9月20日付より〉