9月は月初から台風21号や北海道の地震が相次いだほか、猛暑による増体悪化など、鶏肉の生産・物流に大きな影響が及んだ。末端消費は、上旬こそ災害や悪天候の影響で振るわなかったものの、気温の低下に伴い最初の3連休を迎える前からモモ正肉中心に荷動きは好転した。このため、鶏肉相場(農水省統計部・東京)もモモは月間通じてジリ高となり、月初の500円台半ばから月末には500円台後半と15円程度上げた。ムネは小確りとなり月初から月末にかけて5円ほど上げている。

荷受相場(日経掲載)でも、9月はモモで550円(前月比11.8円高)、ムネで264円(1.9円高)と上げた。10月はこの3連休に関して台風25号の影響が心配されるものの、すでに量販店の棚は鍋物商材中心に変っており、行楽需要と合わせて鶏肉需要は堅調に推移するとみられる。猛暑による増体低下の影響も懸念されるが、基本的にモモジリ高、ムネもつみれなど鍋需要の支えもあり、引続き小確りで推移するとみられ、モモは570~580円前後、ムネで270~280円前後と予想。

[供給見通し]
北海道の地震では、発生当初は大手処理場が稼働休止となったものの、幸いに人的被害はなく数日後には稼働。厚真町の大手処理場では施設や設備などに被害を受けたものの、すでに稼働を再開し、時間を要するとみられるが徐々に工場の稼動率、商品の供給事情も回復に向かうとみられる。一方で、ほかの産地では猛暑の影響で死鳥や増体率の低下がみられ、発注量に対して品不足に陥っている荷受けもみられた。ただ、10月は気温低下に伴って増体の回復が期待される。

日本種鶏孵卵協会がまとめた鶏ひなふ化羽数によると、8月のブロイラー用ひなの出荷・え付け羽数は前月比6.1%増、前年同月比で2.4%増と4カ月連続で昨対増が続く。農畜産業振興機構の需給予測では、10月の鶏肉生産量は13万9,500tで前月比10.9%増、前年同月比で1.8%増となる見通しだ。8月の鶏肉輸入量は5万804t(2.4%減)と予想より多く、9月は5万900t(8.1%減)、10月は4万8,900t(同15.5%減)と予想。7月のブラジル産の船積みが4万t以上もあることから、9月は予想を上回る可能性もある。国内在庫(国産・輸入)は9月末で前年同月比0.4%減の16万t、10月は同5.4%減の16.2万tと昨対割れながらも最需要期に向けて増える見通し。

[需要見通し]
9月中旬以降の気温低下により、モモ正肉と手羽元の需要に火が付き、地震や暑熱の影響で一部モモを中心に品薄感も生じた。10月は気温低下とともに鍋物需要がさらに強まるため、モモ、手羽元を中心に需要は堅調に推移しそうだ。ムネも、鶏チャーシューなど調味料メーカーによるCM効果、つみれ団子など鍋物需要があり堅調な需要が期待できそう。ただ、今後の台風25号の進路によっては唐揚げなど運動会や行楽需要への懸念もある。ただ、月間通してモモ正肉、手羽元の需要は堅調、ムネも特段の落ち込みもなくソコソコの需要で推移するものとみられる。ただ、夏場商材のササミや砂肝、手羽先などの副産物の需要は弱気の展開とみられる。

[価格見通し]
最近の需給動向から見て、10月のモモ正肉相場はジリ上げ展開とみられ、荷受筋の上げムードも強まっている。ただ、相場が下げってきた国産豚肉との競合や、末端の価格志向のハードルも高いため、どこまで値上げが通るかというところ。このため、モモ相場は600円(農水省統計部相場)を伺うレベルまで上げの予想もあるが、10月の平均相場は570~580円前後(前年598円)とみられる。需要が強まっている手羽元も強気と予想。ムネは横ばいか、上げて280円台までとみられ、平均で270~280円前後(同327円)の相場展開となりそうだ。モモ・ムネ合算で840~860円前後(前年926円)と予想する。

〈畜産日報 2018年10月4日付より〉