10月の需要期に入り、量販店の店頭では肩ロースうす切りなどが売れたものの、力強さには欠け、販売はもう一つ伸び悩んだ。そのため枝肉相場は季節的に上昇する中でも9月比で和去A5が53円高、同A4で25円高と僅かな上昇にとどまった。ただ、同A3は前月比では28円高にとどまったが、前年比では275円高、交去B3も前年比で318円高と大きく上げ、低価格志向の中で安価な和牛、国内産牛肉への引き合いが高まっていることがうかがえる。またホルスB2も1,100円台と高値が続く。

11月については、引き続き消費は好調ではないものの、後半は12月に向けた手当ても入り、需要もさらに本格化することで枝肉相場自体は上昇することが見込まれる。また、高値の子牛を導入した肥育牛の出荷時期でもあり、肥育農家の経営上からも相場上昇が望まれる。しかし、10月同様、消費に勢いが感じられず、引き続き安価な国内産牛肉への引き合いが続く中で、相場の上昇は小幅にとどまるとの見方が多く、和去A5で2,900円前後、A3で2,400円前後、交去B2で1,500円前後、ホルスB2で1,100円前後とみられる。A5は等級内での格差が開き、平均ではわずかな上昇にとどまり、いわゆる下位等級が高値(前年比で)を付けると見込まれる。

また出荷頭数は、6日までの平均で1日4,500頭にとどまっており、月後半に増えてくるとしても前年の11月平均5,200頭には届いていない。肥育段階では牛は多いといわれ、今後、出荷がどこまで伸びてくるか注目される。

2018年10月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、消費税8%込み)をみると、和去A5が前月比53円高の2,889円、A4は25円高の2,544円、A3は28円高の2,301円、交雑去勢B2は18円高の1,475円、乳去B2は13円高の1,102円となった。季節的に上昇したが、末端の鈍さから小幅な上昇にとどまった。

前年比でみると、和去A5は前年をやや上回って推移しているほか、和去A3が7月以降前年を大きく上回り、10月は前年比で275円高となった。同様に交雑B2は安価な牛肉へのニーズから5月以降前年を上回り、10月には318円高となっている。11月の生産見通しは農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数は1.3%増(1日当たりでは0.7%減)の10万5,600頭と見込まれる。品種別の出荷頭数は、和牛は2.1%増の4万8,500頭、交雑種は5.1%増の2万4,600頭、乳用種は3.2%減の3万1,000頭が見込まれる。

輸入牛肉(チルド)は同機構の予測では、10月輸入量は3.7%増の2万3,200t、11月は3.4%増の2万2,700tを見込む。豪州産の輸入量が増加すると見込まれ、10、11月とも前年を上回る見通し。

11月の量販店では、3日「文化の日」は土曜日に重なり大きな荷動きはなかったが、15日のボジョレーヌーボー解禁、23日「勤労感謝の日」からの3連休などでの販促が期待される。その中で、和牛はじめ国内産牛肉は、夏場の切落し中心の販売から、棚替えに当たり肩ロースのうす切りを増やしたことで単価アップに成功した。しかし、その他、焼材・ステーキの勢いはない。首都圏のある量販店では、銘柄牛を100g以下の食べ切りサイズのステーキとして販売することで1,000円以下のパックを作り販売を伸ばすが、各量販店とも、いかに値ごろ感を出すかに苦労している。

和牛の上位等級から3等級・2等級、和牛から交雑牛やホルスなどへの移行もあり、交雑牛は前述のように昨年の価格を300円上回っている。引き続き、より安価なものへの移行が続くとともに、一部では輸入牛肉への移行も想定される。輸入牛肉は、9月までの在庫過多から徐々に輸入が絞られたことで、豪州産はロイン系はもう一つもスソ物が玉薄、米国産もコスト高の玉に切替わりつつあるがなかなか唱えが通らない状況。末端の動きが鈍いことが要因だが、交雑・ホルスの高値を考えれば、輸入への移行が進むと見られる。これらを勘案すれば、11月の相場は、12月の需要期に向けて上昇するが、上位等級は足元の消費に力強さがないことから小幅な上昇と見られ、下位等級は引き合いがあり高値水準を維持するものの、末端の価格が決まっていることで急激な上昇は考えづらくこちらも50円前後の上昇と見られる。そのため和牛去勢A5で2,900円前後、同A3は2,400~2,450円、交雑B2は量販店での引き合いが続き1,500円前後と見られる。また乳去B2は1,100円前後とみられる。

〈畜産日報 2018年11月9日付より〉