農水省がまとめた、2017年の農業経営統計調査(個別経営)によると、1経営体当たりの収支は、養豚が豚価高を背景に農業所得が1,929万円で前年比で66%と大幅に増加、08年以降、最高額となった。これに対して肥育牛経営は、農業粗収益を得るために要した資材などの費用となる農業経営費が同7%増の6,524万円と、8年連続で増加、農業所得は同45%減の993万円と前年(1,794万円)から大幅に減少するなど苦しい経営状況が浮き彫りとなった。繁殖牛経営も飼料など農業経営費がかさみ、農業所得は4%減の535万円となっている。ブロイラー経営も所得は同30%減の1,074万円と悪化した。

繁殖牛経営の1経営体当たり農業粗収益は前年比1%増の1,258万円。これに対して、農業経営費は同4%増の723万円となっている。この経営費のうち、動物は9%増、飼料が3%増、農機具(101万円・10%増)、光熱動力(35万円・12%増)なども増加した。この結果、農業所得は535万円で前年に比べ4%減少した。

肥育牛経営の農業粗収益は同5%減の7,517万円に減少した。農業経営費のうち、動物が9%増、飼料が4%増、農用建物(97万円・42%増)、農用自動車(69万円・25%増)などが増加。この結果、農業所得は前年に比べ45%減少した。また、肥育牛経営のうち、肉専用種が主体の経営体は、粗収益7,046万円(4%減)、経営費6,036万円(7%増)、農業所得1,011万円(41%減)。乳用種が主体の経営体では、粗収益8,907万円(9%減)、経営費7,968万円(4%増)、農業所得940万円(54%減)とより厳しい経営状況となった。

一方、養豚経営の農業粗収益は同15%増の7,676万円。農業経営費も5%増の5,747万円と増加したが、農業所得は66%も増加した。粗収益・農業所得ともに08年以降、最高額となっている。規模拡大により、月平均肥育豚飼養頭数は1,026.8頭(3%増)と初めて1,000頭台に乗り、販売頭数も1,829頭(3%増)と増加している。

ブロイラー養鶏経営の農業粗収益は1%増の1億1,598万円となったが、最高額の15年(1億1,827万円)には届かなかった。農業経営費は同6%増の1億524万円。経営費の6割を占める飼料が3%増加、動物が8%増、光熱動力(435万円・12%増)などもかさんだ。ブロイラーの販売羽数は24万羽・6%増と増加したものの、経営費の増加の結果、農業所得は前年に比べ30%減少した。採卵養鶏経営の農業粗収益は3%増の5,550万円。農業経営費は1%増の4,531万円で、農業所得は14%増の1,019万円に増加した。

〈畜産日報 2018年12月14日付より〉