〈和去A5はふるさと納税などが下支えし2,800円前後を維持〉
年始は牛肉の販売は好調だったが、その後は和牛からより安価な交雑、輸入牛にシフトしたことで、和牛の相場は高値の2018年12月から大きく低下した。和去A5は137円安にとどまったが、同A4、A3は200円前後の下げとなった。ただ、A3は前年同時期に357円下げており、今年の下げ幅は圧縮された形になっている。さらに昨年のA3の2,078円に対し今年は2,325円と247円高と価格自体は前年を大きく上回った。相対的に出荷頭数が少ないことと、安価な和牛への需要が拡大したことが要因といえる。なお、交雑も同様に前年の相場を200円以上上回っている。

2月の販売状況は、「建国記念の日」を含む連休の初日は「ニクの日」に当たり、牛肉の販促が行われるが、安価な切り落としや輸入牛肉がメインになる。また、バレンタインデーにはステーキやローストビーフ用の塊肉の販売も行われるが、こちらも輸入牛肉がメインとみられる。そのため和牛の需要は縮小し相場も低下すると見込まれる。しかし、既報のように、高値の素牛を肥育したことで肥育農家は相場に敏感になっており、出荷調整により暴落することは考えづらい。さらに交雑牛は和牛からの移行で引き続き高値を維持すると見込まれる。このため和去A5は2,800円前後と、ふるさと納税などが下支えしわずかな下げにとどまるものの、A3は2,250円前後まで下げると見込まれる。ただ、交雑B2は1,500円を超すなどほぼ1月並みの高値が続くとみられる。

19年1月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、消費税8%込み)をみると、和去A5が前月比137円安の2,828円、A4は190円安の2,513円、A3は201円安の2,325円、交雑去勢B2は41円安の1,521円、乳去B2は12円高の1,060円となった。前月比では、乳去を除き、12月相場から大きく低下しているが、前年比でみると、和去A5が67円高、A3は247円高、交雑B2は294円高とそれぞれ大きく上回っている。特に、より安価な等級の上昇が目立っている(グラフ参照)。ただ、内容を見ると、A5は和牛全体の4割前後を占め、同じ等級の中でも最大で700~800円の価格差が生じており、加重平均では実体を表すのが難しくなっている。逆にA3は発生率が低下し、頭数が限られることで相場の変動が大きくなっている。このため等級ごとの価格ではなかなか実体がつかみづらいといわれる。

2月の生産見通しは農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数は2.2%減(1日当たりでも2.2%減)の7万6,200頭と見込まれる。品種別の出荷頭数は、和牛は0.3%増の3万1,600頭、交雑種は1.0%減の1万8,500頭、乳用種は6.5%減の2万4,900頭が見込まれる。和牛がわずかに増加するものの、交雑種が減少に転じるほか、乳用種で大きく減少し、全体でも前年を下回ると見込む。輸入牛肉(チルド)は同機構の予測では、1月の輸入量は10.1%増の2万400t、2月は1.7%増の2万300tと、ともに2万t強の輸入が見込まれる。2月の量販店では、不需要期の中で牛肉販売は低調。第1週の土日は「節分の日」でチラシは恵方巻の訴求が大半を占め、牛肉の訴求は少なかった。「建国記念の日」を含む3連休は、土曜日が2月9日「ニクの日」であり、ある程度の販促が行われるが、消費者の認知はまだ薄く大きな期待は難しいところ。また、季節的に安価な牛肉が中心であり、和牛・交雑・ホルスの切り落とし、輸入牛肉の焼き材(バラ)、肩ロースステーキの訴求がメインになる。またバレンタインでは、ステーキやローストビーフ用の塊肉の販売が行われるが、これも輸入牛肉が中心になる。このため、3月前半までは、和牛・交雑は切り落としが中心であり、焼き材などは花見需要がはじまってからとなる。また年度末になれば、歓送迎会などで外食需要も出始めるが、それまでは需要面での相場の上げ要因は見つけづらい。

なお、切り落しばかりが売れる中で、すそ物を集めるのが難しくなり、交雑種も出荷が少なく高値が続く中で、量販店では、米国産のカルビアイなど安価で提供できる新たなアイテムを求めているところだ。

これらを勘案すれば、ふるさと納税や通販、輸出に支えられる和去A5は別にして、和牛の各等級は下げが見込まれる。また、和牛からの移行と、出荷減少で交雑種は高値が続き、ホルスもモノ不足で前月並みを維持すると見込まれる。これらを勘案すれば、和去A5で2,800円前後、同A3は2,250円、交雑B2は1,500円前後と見られる。また乳去B2は1,050円前後とみられる。

〈畜産日報 2019年2月6日付〉