〈ムネは引続き弱もちあいで270円前後、副産物関係は苦戦か〉
年末に冷え込みが強まったことで需要が強まってきたモモ正肉は、年が明けても一部産地では成績不良で生産量が計画を下回ったことで不足感も強まり、日経相場でも650円前後(前年同月比25円安)、農水省の食鳥市況情報でも660~670円の唱えを維持した。鍋物需要と正月明けの節約志向もあり、単価の安い鶏肉の販促がかけやすかったためとみられる。一方、ムネ正肉の消費は振るわず、荷受サイドも在庫が滞留する状況となり、1月後半にかけてジリ安となり、日経で270円(同40円安)、農水省の食鳥市況でも285円と低迷した相場展開となった。

2月に入ってからも状況は変らず、荷動きはモモが堅調、ムネや副産物が低調という状況が続いている。2月は食肉需要としては端境期で低迷する時期だが、引続きモモ正肉、手羽元中心に鍋物需要が見込まれるほか、スーパーでは2月決算期の追い込みで販促を強めており、単価の安い鶏肉の特売需要は強まりそう。ただ、各社決算セールで攻めた売価設定をしてくるため、相場が上がり過ぎると、輸入品や逆に輸入牛肉に需要がシフトする恐れもある。また、今回の愛知県の豚コレラ発生で豚肉需給も不透明感が強まっており、今後の豚価によっては鶏肉に需要が移る可能性もあり、波乱含みの様相も呈している。
 
[供給見通し]

農畜産業振興機構の需給予測によると、2月の鶏肉生産量は前年同月比2.0%減の12万3,600tと、1月に続いて前年実績を下回るとみている。一方、日本食鳥協会によると、2月の全国生体処理羽数は前年同月比2.3%増、生体処理重量も同1.6%増と前年を上回ると推定されている。ただ、東北など一部産地では寒波の影響で増体不良がみられるもようで、引続き計画に届かない可能性もある。また機構の需給予測では、2月の輸入品を含む出回り量は同4.9%増の17万2,800tと多く、期末在庫は同12.1%減の16万4,500tとみている。このうち、国産在庫は2万6,000t前後と予想されるが、モモに関してはタイト感が続きそうだ。なお、2月の鶏肉輸入量は、同3.9%増の4万8,500tと予想されている。
 
[需要見通し]

北陸地方では春一番が吹いたが、3連休がある2月第2週目の週末は北日本や関東でも寒気が南下することで、鍋物需要の強まりが期待できそう。荷受けでもモモ正肉や手羽元のオーダーが入っているようだ。2月いっぱいはモモ正肉中心の展開が続きそうだ。しかも、連休明け以降も中旬から下旬にかけて量販店の決算セールの特売が予定されているため、モモ正肉を中心に需要は底堅く推移しそうだ。ただ、今回の愛知県の豚コレラ発生の報道を受け、店舗側にも消費者からの問い合わせが寄せられているもようで、仮に発生事例が広がるなどして豚価が高騰した場合、輸入牛肉や輸入豚肉、鶏肉のフェースを広げることも想定される。こうしたなかで、モモ相場が吊り上がってしまうと、販促が輸入鶏肉に移る可能性もある。
 
[価格見通し]

モモ正肉は、3連休の需要などで2月前半は前月の相場を引き継いだ形となり、日経平均で650円前後、農水省食鳥市況で670円前後を維持しそうだ。後半は気温の動向にも左右されるが、上述の通り、月後半は不確定要素が強く、展開の予想が難しくなっている。マスコミ報道など豚コレラの影響が比較的、冷静に推移した場合、本来のこの時期の実需が作用し、後半にかけてモモ相場は右肩下がりが予想される。このため月間平均では前月比10円下げの630~640円(食鳥市況情報で650~660円)と予想される。ムネ正肉は、引続き思うように需要がついてこないため、販売に苦慮しそうで、2月を通して270円前後の弱もちあいの展開となりそうだ。

〈畜産日報 2019年2月7日付〉