高まる「レンジ調理」需要、家飲み増加で「おつまみ」も 各社が対応商品を展開

食肉加工品メーカー各社が展開する電子レンジ調理対応商品
内閣府の男女共同参画白書によると、共働き世帯は年々増加しており、2017年は1188万世帯と97年の949万世帯から1.25倍の増加となっている。また、総務省の社会生活基本調査によると過去20年間で、共働き世帯において男性の家事時間が8分増加しているが、女性の家事時間は19分短くなっている。これらの調査結果から家事時間が減少傾向にある家庭が増加しているものと推測される。

このほか、単身世帯の増加や食シーンの多様化、家飲みシーン拡大によるおつまみ需要の増加といった影響もあり、レンジ調理など手軽に調理できる簡便性の高い商品へのニーズは年々高まっている。

食肉加工品メーカー各社でも高まるニーズに対応して、電子レンジ調理対応アイテム、素材を加えるだけで一品が作ることができるメニュー調味料などのコンシューマ商品を幅広く展開している。

〈家飲み市場にあわせて新シリーズ「今夜のおとも」/日本ハム〉
日本ハムでは、家飲み市場にあわせて「今夜のおとも」シリーズを立ち上げ、「切り落とし焼豚」などのおつまみに最適なハム・ソーアイテムを展開する。また、カップのまま電子レンジで温めて皿に盛りつける「Delicup」シリーズから、チーズのトロトロ感が味わえる「チーズonミートローフ」、デミグラスソースのトロトロ感が特長の「デミチーズonミートローフ」の2品を発売している。

さらに、下ごしらえ済みの具材やソース入りの「中華名菜」シリーズでは、「黒酢仕立てのよだれ鶏」など3品の新アイテムを投入。このほか、高質チルドピザ「奏(かなで)」では、17時間以上熟成した生地を中種に使い、焼き上げたあとに生ハムをトッピングする「生ハムピッツァ」を発売している。

〈袋のままレンジ調理できる「おかずプラス」展開/伊藤ハム〉
伊藤ハムは、新たに袋のままレンジ調理できる「おかずプラス」シリーズの展開を開始。「ハンバーグステーキ」や「麻婆豆腐」など買い置きできる定番おかず10品をそろえている。「ベルガヴルスト」ではシリーズ内で人気のフレーバーをレンジ対応容器入りで発売し、「レンジでごちそう」シリーズでは「牛すじ黒カレー」を投入している。また、レンジ対応パックに入った「レンジdeこてっちゃん・とんてっちゃん」では個食やおつまみ需要に対応している。このほか、常温保存可能な具材入りのメニュー調味料「ささっと献立」シリーズでは「豚バラキャベツの旨塩炒め」や「鶏ときのこのバター醤油炒め」などのメニューをそろえている。

〈一人前のごちそうメニュー「一皿のごちそう」展開/プリマハム〉
プリマハムは、こだわりのソースを使った一人前のごちそうメニューとして「一皿のごちそう」のシリーズ展開を開始。調理の手間がかかるビーフシチュー、ハッシュドビーフなどの総菜5品目を投入している。レンジ調理に対応したスタンドパウチに入った「ごちそう革命」シリーズでは、「さっぱり和風ハンバーグ」、「やわらかく煮込んだ豚角煮」などの和風アイテムをラインアップする。

〈スタンドパウチ入り「匠グリルハンバーグ」刷新/丸大食品〉
丸大食品はレンジ調理に対応のスタンドパウチ入りの「匠グリルハンバーグ」シリーズをリニューアル。ソースで楽しむごちそうハンバーグとして特製ソースを使った「濃厚デミグラスソースハンバーグ」、「あめ色の玉ねぎソースハンバーグ」をそろえている。また、新商品として電子レンジ対応トレーに入ったチキン惣菜「トレー入りチキン」シリーズからチキンナゲットやから揚げを発売した。

〈「レンジDEお手軽」に「とんタンペッパー」や「ハニーベイクドチキン」/福留ハム〉
福留ハムは、トレーのまま電子レンジで温めることができる「レンジDEお手軽」シリーズから、「とんタンペッパー」や「ハニーベイクドチキン」などのおかずやおつまみに利用できるアイテムを投入している。

〈家飲みに最適な「お手軽スタミナ食堂煮込み」展開/エスフーズ〉
エスフーズは湯煎またはレンジ調理で家飲みシーンに最適な煮込みメニューができる「お手軽スタミナ食堂煮込み」シリーズを展開。エスフーズグループのフードリエも肉のおいしさにこだわった「牛カルビ丼の素」、「豚カルビ丼の素」の2品をレンジ調理対応のスタンドパウチ入りで発売している。

〈食品産業新聞 2019年3月25日号〉