〈和去A5は2,850円前後、A3は2,350円前後か〉
3月後半の需要は花見や歓送迎会などで盛り上がるとみられたが、期待には届かず、枝肉相場も和牛去勢の多くの等級で、不需要期の2月を下回る形になった。より安価な霜降りを求める量販店により、和牛からのシフトで2月まで上昇傾向をたどっていた交雑種B2も前月比85円安となった。当初は、10連休に向けて前倒しで手当てすることも想定されたが、ごく一部にとどまった。

4月は、需要期入りと10連休に向けて上昇するものの、和牛・交雑種の高値で量販店の販売がより安価な輸入牛肉にシフトしていること、10連休は外食は好調も、旅行・外出などにより家庭での需要はそう強くないとみられる。10連休に向けての手当ては、和牛は12日ごろまで、交雑種は19日ごろまでがピークといわれ、その後は駆け込みで入ったとしても、枝肉相場は落ち着くことから月間平均の上げ幅は小さく、和去A5は2,850円前後、A3は2,350円前後、交雑B2は1,550円前後とみられる。

3月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、消費税8%込み)をみると、和去A5が前月比7円安の2,800円、A4は27円安の2,476円、A3は27円安の2,278円、交雑去勢B2は85円安の1,495円、乳去B2は8円高の1,069円と、和牛は各等級で低下した。前年比でみると、和去A5が5円高とほぼ前年並みまで下げたものの、A3は147円高、交雑B2は286円高と、いわゆる大衆規格は依然として大きく上回っている。ただ、量販店では、和牛・交雑牛の枝肉価格の高止まりで切り落としが作りづらい状況になっており、今後、季節なりに変動するとしても、現状の高値修正がさらに進むのか注目される。

4月の生産見通しは農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数は1.0%減(1日当たりでは2.2%減)の8万9,500頭と見込まれる。品種別の出荷頭数は、和牛は0.4%減の3万9,700頭、交雑種は3.0%減の2万1,100頭、乳用種は0.4%減の2万7,500頭が見込まれる。和牛、交雑種、乳用種とも前年を下回る見込み。輸入牛肉(チルド)は同機構の予測では、3月の輸入量は2.0%減の2万1,900t、4月は0.7%減の2万5,000tで、3月は米国産の減少、4月は豪州産の減少で、3月、4月ともわずかに減少すると見込んでいる。

3月の量販店は、20日前後から輸入牛肉を中心に焼き材の販売が好調だったものの、枝肉価格が上がりすぎた和牛、交雑牛では切り落としが作りづらくなっていることで、動きは鈍かった。輸入に押され、焼き材の販売ももう一つだったといわれる。3月枝肉相場は不需要期の2月を下回ったが、ここまでの高値疲れで量販店の取扱いが減っていることがうかがえる。ある量販店では、関税面でのメリットが出始めたカナダ産をスポットで平日に販売したところ販売量は1割近く増加したとし、今後は毎週定番での販売を計画している。4月は、各量販店とも和牛、交雑牛について、もも・バラ焼肉セット、黒毛和牛肩バラ焼肉用などなるべく安価な部位、さらには交雑牛を使い、少しでも値ごろ感を出す工夫をする計画だ。一方で、ここまで季節を問わずに好調だった切り落としについては、仕入れ方法や販売方法を見直す動きも出ている。10連休は、元号が「平成」から「令和」に変わる中で、改元にちなんだセールが想定されるものの、消費者は外出・旅行が中心で家庭での調理は減少すると見込まれ、和牛などでのセールよりも、輸入牛肉のハンギングテンダー、牛タンなどBBQ提案に力を入れると見込まれる。その一方で、外食需要は好調と見込まれ、一部の銘柄牛などの引き合いは多いと見込まれる。

和牛の荷動きは、バラが売れるものの、肩ロースが下火で、ロースも輸出が以前のような勢いがなく、相場を大きく押し上げる勢いはない。10連休に向けての手当ては、和牛は12日まで、交雑牛は19日までがピークとみられ、その後はカット工場の稼働、ユーザーへのデリバリーの問題があって手当ては落ち着き、相場は下げるとみられる。駆け込みで受注が入ることもあり得るが、前半に高騰も後半落ち着くとすれば、月間相場の上げ幅は圧縮されると見込まれる。そのため4月の相場は和去A5で2,850円前後、同A3は2,350円前後、交雑B2で1,550円前後、乳去B2は1,080円前後とみられる。

〈畜産日報 2019年4月4日付〉