〈手羽先など副産物も期待薄い、ムネは弱もちあい〉
国産鶏肉の需給動向は一昨年のサラダチキン・ブームに伴う好市況も一巡する半面、生産は基本的に増産の流れにあり、需給バランスは軟化している。とくにこの年度替わりの時期は気温上昇に伴ってモモ正肉・手羽元などの鍋物商材の売れ行きが鈍り、各荷受けの販売は苦戦を強いられている。3月の平均モモ正肉相場も、一昨年は東京(農水省・食鳥市況情報、税抜き)で688円、日経相場で674円を付けたが、昨年はそれぞれ660円・630円に下げ、今年は652円・627円とさらに下回っており、1カ月通してみても上旬から下旬にかけて30~40円程度右肩下がりとなった。ムネ正肉も同様で、上旬から下旬にかけて10円程度値下がりしており、加工原料への引合いも増えることはなかった。

4月は食品関係の値上げが相次いだことで、本来なら単価の安い鶏肉にとっては強みを発揮できる展開といえそうだが、供給量も多く、現状では相場を反転させるほどの状況ではない。それでも5月の大型連休需要があるため、4月下旬にかけては手当買いが強まり相場は多少締まってきそうだ。それでも、月間平均では、モモ正肉が630円前後・日経610円前後、ムネ正肉が240円・日経230円と予想する。
 
[供給見通し]

日本食鳥協会によると、4月の全国生体処理羽数は前年同月比3.5%増、生体処理重量は同2.6%増としている。稼働日の関係もあるが、羽数・重量ともに前年を上回り、とくに南九州では羽数が同4.2%増・重量同3.2%増と多めのようだ。ただ、農畜産業振興機構の需給予測では、4月は前年同月比0.1%減とほぼ前年並みの13万2,500tと予測している。2月までは一部産地で増体不良があり、相場の下支えにもなったが、それも3月には回復基調となり、とくにムネ、ササミなど不需要部位は荷余り感が生じている。4月は鍋物需要が一巡することから、手羽元を含め余剰感が強まりそうだ。

機構予測では、4月の輸入量は同15.3%減の4万2,000tとしている。ブラジルおよびタイでは、中国のアフリカ豚コレラの発生に伴い同国からの鶏肉の引合いが増えているほか、ブラジルのパッカーでは政府のサルモネラ属菌に対する検査体制の厳格化で供給・供給体制に支障が生じているとされ、日本向け先物オファーの値上がりが指摘されている。タイの外貨も上昇しており、今後の供給・価格動向が読み難い状況となっている。1月末で13.5万tあった輸入在庫も漸減する可能性もあり、国産と輸入で相反する需給展開となりそうだ。
 
[需要見通し]

3月は鍋物需要が一巡してきたなかで、モモ正肉については特売などで何とか動く状況だった。逆にムネ正肉や手羽先なども一昨年のような勢いはなく、弱気の推移となった。4月に入ってからも、国産生鮮物の動きは好転せず、全体として厳しい販売状況が続いている。産地工場では大型連休期間中の4月29~30日は稼働する予定のため、正肉や手羽先、砂肝などの手当て買いは4月下旬に強まるものとみられる。ただ、連休中は郊外及び海外への人口流出のほか、新天皇即位のお祝いムードで量販店の販促は牛肉を中心とした焼肉・ステーキの展開が予想され、物量としてはせいぜい平年並みの連休需要とみられる。ムネ正肉は、凍結回しに向けて相場を維持したいところだが、在庫も増加しているため在庫積み増しも難しい状況。相場安で加工需要の引合いが出てくることも期待したいところだが、もう少し先のタイミングか。

[価格見通し]
1月をピークにジリ安を続けた鶏肉相場だが、今年は4月下旬に一時的な反発があるにせよ、基調としては弱気の展開と予想される。国内の供給増、在庫圧迫とマイナス材料が多い。陽気次第では、手羽先、砂肝なども好転しそうだが、モモはジリ安から下旬に若干上げとなり、月間平均で630円前後・日経610円前後、ムネ正肉は弱もちあいがらみで240円・日経230円の展開と予想される。

〈畜産日報 2019年4月5日付〉