「2019食肉産業展」開催、生産性の向上や省人化の実現、操作性や安全性を向上させた機器を提案

なんつね 鶏肉袋自動開封・脱水機「AIR鶏(エアーケイ)」
食肉の総合見本市である「2019食肉産業展」が17~19日の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれており、食肉卸、食肉加工機械メーカーなどが多数出展している。

食肉卸では丸大食品グループの丸大ミート、丸大フードが出展。黒毛和種(雄牛)とアンガス牛(雌牛)を掛け合わせた素牛を輸入して、指定農家で肥育した国産牛「国産 浪漫牛」や、北海道白老町・白老牛銘柄推進評議会が定める北海道内地域に限定されるなど、出生地の定義がある北海道産和牛「白老牛」などを紹介した。輸入食肉では、認定農場で放牧にこだわって牧草で飼育し、抗生物質の使用やホルモン剤の投与を行っていない「クリーバーズ・オーガニック・ミート」を提案した。ミヤチク(宮崎県都城市)は宮崎牛やハム・ソーなど食肉加工品を提案したほか、サニーフーズ(東京都江東区)と組んでカタログギフトなどで精肉・食肉加工品を展開していることをPRした。

機械メーカーでは、なんつねが鶏肉袋自動開封・脱水機「AIR鶏(エアーケイ)」や自動トレイ盛付け機「オレヘン」のデモントレーションを行って特徴をアピールした。「AIR鶏(エアーケイ)」は鶏肉袋の開封、取り出し、脱水の工程を自動化することにより生産性の向上や現場の省人化させることができ、今回の展示機種では従来の製品からサイズをコンパクトにしている。また、「オレヘン」はスライサーとつなげることで自動盛付けの機能を追加することができる。同社は東京ビッグサイトで同時開催している業務用専門展「ファベックス」にも出展しており、ハム・ソー専門店「ミート・デリ・モ~スト」の商品を提供して、製造機械やスパイス類などの提案も行っている。

ワタナベフーマックは、豚肉のスライスの折り曲げ・盛り付けロボットの「スイットル・ロボット」の実演のほか、安全性や衛生面を向上させた「S line(エスライン)」シリーズを紹介。食品加工用機械における事故災害は、他の産業と比べて多い状況にあり、雇用形態の変化で経験の浅い作業者や海外出身者などが加工作業に携わる事が増加する見込みであることから、同社は食品加工用機械メーカーとして「事故災害を減らす事」に取り組んでいる。また、「ウルティマ」ではスライス時の厚みや速度などの調整などをタッチパネルで行うことで、経験が少ない作業者でも簡単に作業を行うことができる。刃物カバーを固定化し、刃物側板にセーフティセンサーを採用するなど安全面も向上させている。

ワタナベフーマック「ウルティマ」

ワタナベフーマック「ウルティマ」

〈畜産日報 2019年4月18日付〉