〈不安材料は出荷状況、頭数次第で600円の高値圏内も〉
今年の大型連休は異例の最大10連休となったことで、4月の豚枝肉相場も4週目に入ってから手当て買いが強まり、関東3市場(全農建値)でも上物税抜きで500円を超え、4月30日には599円まで上昇した。結果、月間の平均相場は486円と前年同月から54円上回った。東京市場の上物相場も同63円高の498円(税込み538円)となり、3カ月連続で前年相場を上回った。大型連休中の末端消費は、連休前半が一部地域を除いて曇りや雨が多く、気温も低めだったことで、豚肉も小間切れや切落とし中心にソコソコ動いたもよう。

だが、後半は好天に恵まれたうえに祝賀ムードで焼肉やステーキなどにシフトし、連休全体として豚肉の売れ行きは振るわなかったようだ。5月の末端需要は大型連休明けの消費疲れから、普段使いできる豚肉に需要が戻ると思われるが、同時に需要の端境期に入っていくため、中部位よりもスソ物中心の展開となりそう。このため、需要の実勢からすれば5月の東京市場の枝肉相場は上物税抜きで560~570円の展開と予想される。ただ、関東圏では豚流行性下痢(PED)による出荷の影響も出てきそうで、相対で足りない分を市場で手当てするなど相場の上げ要因もはらんでおり、例年、出荷頭数が細ってくる後半には税抜きでも600円台を超えてくる可能性が高い。
 
[供給動向]

1カ月前のデータだが、農水省の肉豚出荷予測(4月4日発表)によると、5月の肉豚出荷頭数は前年同月比4%減の132.2万頭と予測している。今年は稼働日の関係もあるが、2日を含めた20日稼働で、1日当たり6万6,100頭となる見通しだ。農畜産業振興機構が4月25日に公表した豚肉の需給予測では、5月の出荷頭数は前年同月比4.5%減の131.9万頭で、豚肉生産量は7万2,800t(同4.5%減)とこちらも前年割れを予想している。ただ、岐阜・愛知での豚コレラや、関東圏でのPEDの影響が懸念されており、とくに後者については市場の上場頭数の減少やセンターでの足りない分を市場から手当てする動きも予想される。5月の枝肉相場はこの関東圏の出荷動向次第といえる。5月のチルドポークの輸入は、上述の機構の需給予測で前年同月比4.5%減の3万2,200tと見込んでいる。「10連休明けの需要減退などにより前年同月をやや下回る」と予測しているが、それでもチルド単体で3万t台のボリュームがある。
 
[需要動向]

4月は行楽シーズンや学校給食が始まったことで上旬はモモやロースなどの荷動きが良化、その後、中だるみしたものの、後半に移ってからはロース、ヒレ、ウデなどの引合いが強まり、スペアリブも生鮮物は足りない状況となった。大型連休に向けて強めの発注が見受けられたが、前述の通り、大型連休期間は量販店各社が焼肉・ステーキを中心に販促をかけていたため、とくに好天に恵まれた後半の販売は思わしくなかったようだ。ただ、連休明け以降は、消費者の節約志向と、各家庭での食材補充で豚肉全体の需要回復が期待される。中間流通段階での在庫持ち越しは少なく、連休後の在庫補充買いはバラやカタロース、スソ物は堅調となっている。今後も、単価の安いウデ・モモの需要は強いものの、ロース、カタロースは落ち着く展開となりそうだ。輸入チルドは、中国の需要などで5月入荷玉からコストも上昇しているため、国産の相場次第では国産物に需要がシフトすることも考えられる。
 
[価格動向]

10連休という要因があったにせよ、4月の平均相場は、自力で500円を伺う水準に回復した。5月はさらに一段高の相場展開となりそうだ。末端消費は決して良いとはいえないものの、出荷頭数が前年割れの予想にあり、とくに月後半に1日当たり6万頭台を割るようであれば、税抜きで600円台を超える可能性もある。連休明けの7日の東京市場は上物税抜きで540円となった。中旬に踊り場があったとしても、後半にかけて再び上昇するとみられ、月間平均では上物税抜きで560~570円(税込み600~620円)の展開と予想する。

〈畜産日報 2019年5月8日付〉