日本初上陸のB級グルメ「アイダホフィンガーステーキ」を提案/USMEF アメリカン・ビーフ カッティングセミナー

〈カット方法による付加価値を訴求、アメリカン・ビーフのさらなる可能性を発信〉
米国食肉輸出連合会(USMEF)は5月10日、東京都渋谷区のベニーレ・ベニーレで「アメリカン・ビーフ カッティングセミナー」を開き、ステーキ業態を中心とした外食関係者など80人以上が参加した。“肉ブーム”が盛り上がりステーキの提供方法が多様化する中、アメリカン・ビーフのさらなる可能性を外食業界に向けて発信すべく、セミナーのほか、さまざまなカット手法を実演で披露した。
「アイダホフィンガーステーキ」イメージ

さらに、日本初となる新メニュー、「アイダホフィンガーステーキ」が紹介された。冒頭ではグレッグ・ヘインズ副会長が「おかげさまで、日本への輸出量は毎年増加している。肉ブームの影響で牛肉料理を提供するレストランが増えており嬉しく思う。今後もUSMEFでは日本の皆様の役に立つ情報を発信し、肉ブームを引き続き盛り上げていきたいと思う」とあいさつ。
 
続いて笠谷樹マーケティングマネージャーがアメリカン・ビーフの市場動向や日本のステーキ市場のトレンドを説明するとともに、来日した生産者らが生産状況などをプレゼンした。それによると、現地の牛肉生産量は近年2~3%台で増加し、2019年には過去最高になる見通しだとした上で、日本市場について、肉ブームを背景に米国からの輸入数量は好調に推移しているとした。その他、格付けにより品質に基づいた商品の購入が可能であること、格付けに占めるプライムの発生率が18年は7.95%(17年6.0%)と向上していること、輸入月齢制限が近々撤廃されることで新たな商材の選択肢が多様化することなど、アメリカン・ビーフの優位性を訴求した。

 
〈指でつまんで食べられる新感覚のB級グルメステーキ〉
日本でのステーキ市場のトレンドでは、米国産の安全性の認知度も高まってきており、これまでUSMEFが「ポンドステーキ」として訴求してきた厚切りでの販売も広がりを見せているとした。一方で、高級ステーキ店の日本進出や他業種からのステーキ業態への進出など、ステーキ業態の競争が激化する中で、差別化を図っていくことが課題であると指摘。
 
そこで、競合との差別化を図るため「一歩先を行くステーキ」として、アメリカン・ビーフのさまざまな部位を使用したステーキアイデアを提案。その中で、日本初上陸となる「アイダホフィンガーステーキ」を紹介した。一口大にカットした牛肉を、水溶きの衣(天ぷら粉など)で揚げたもの。部位はショルダークロッド(カタ)やトップラウンド(もも)など、赤身の多い部位がおすすめだという。アイダホ州のソウルフードとして親しまれ、指でつまんで食べることができ、ケチャップやサルサソース、タルタルなどどんなソースにも合う新感覚のB級グルメステーキとして提案した。
 
その後、山庄司岳道ジャパンディレクターがカッティングを実演。セミナーでも紹介した▽チャックアイロールを使ったデルモニコステーキ、デンバーステーキ▽ストリップロインを使ったNYストリップ、ロングアイランドステーキ、マンハッタンステーキ▽ショルダークロッドを使ったアイダホフィンガーステーキ――を紹介し、カット方法による付加価値の付け方を提案した。また、アイダホフィンガーステーキやローストビーフ、ストリップロインステーキなどの試食が振舞われ、参加者たちはアメリカン・ビーフのさまざまな部位を食べ比べた。

USMEF 山庄司岳道ジャパンディレクターがカッティングを実演

USMEF 山庄司岳道ジャパンディレクターがカッティングを実演

山庄司ジャパンディレクターは「現在、ステーキ業態は多くの業界が参入し、競争が激化している。その中でアメリカン・ビーフの可能性、マーケティングによりどのような差別化ができるのかを伝えていければと思う。今後、皆様のビジネスの中で今回の提案を活用していただきたい」と締めくくった。
 
〈畜産日報 2019年5月14日付〉