〈2018年度養豚実態調査〉17年の総出荷頭数は607.1万頭、1経営体平均7,843頭

畜産日報 2019年5月27日付
〈肉豚出荷日齢は184.3日・平均体重114.9kgに、上物率は全国で53.3%〉
日本養豚協会(JPPA、香川雅彦会長)はこのほど、2018年度「養豚農業実態調査」をまとめた。経営形態、従業員数、後継者の有無、種豚頭数、飼養頭数、肉豚出荷状況、事故率、人工授精の実施状況、今後の経営動向などをまとめている。調査は18年8月1日現在の、全国から集計された820経営体をまとめた。17年度と同様に原則経営体単位で集計し、回答があった719経営体の子取り用雌豚の飼養規模を見ると、前年度は100~199頭の規模が最も多かったが、今年度は200~499頭の規模が全体の23.1%と最も多かった。次いで100~199頭が19.6%、50~99頭が17.1%の順となった。

【肉豚出荷状況】
肉豚を出荷する774経営体の年間(17年1~12月)の総出荷頭数は607万562頭で、1経営体当たり平均7,843頭となった。

前年度実績(16年)では、全752経営体で総出荷頭数は656万3,000頭、1経営体当たり平均8,727頭だった。子豚を出荷している経営体は172経営体で、年間総出荷頭数は176万365頭、1経営体当たりの平均は1万235頭となっている。

回答状況を出荷規模別で見ると、前年度と同様に4,000~9,999頭の経営体が160カ所で全体の20.7%(前年度153カ所・20.3%)と最も多く、次いで2,000~3,999頭が149カ所で19.3%(133カ所・17.7%)、1,000~1,999頭が121カ所で15.6%(143カ所・19.0%)だった。

出荷頭数ベースでは、2万頭規模以上の経営体からの出荷が全体の54.7%・332万1,075頭と過半数を占めており、次いで1万~1万9,999頭が18.1%・109万7,850頭、4,000~9,999頭が16.4%・99万4,334頭と続いている。この3階層の経営体で出荷頭数の89.2%を占める。

17年の肉豚平均出荷日齢は184.3日(前年度185.7日)と前年から1.4日短くなった。肉豚出荷生体重は114.9kg(114.1kg)、平均枝肉重量は75.2kg(75.1kg)と、成績は前年度からあまり変化は見られなかった。

地域別では、平均出荷日齢で九州・沖縄が197.4日と最も長く、最短は北陸の174.4日だった。九州・沖縄の長さは主産地である鹿児島県において飼養日数の長いバークシャー種の頭数が多いことが影響したと考えられる。肉豚の出荷生体重と枝肉重量が大きいのは近畿で、それぞれ118.1kg・78.6kgだった。

【繁殖・肉豚出荷成績】
17年の1腹当たりの平均ほ乳開始頭数は11.1頭(前年度11.2頭)、平均離乳頭数は10.0頭(10.1頭)と、それぞれマイナス0.1頭となった。平均育成率は89.0%と前年(90.5%)を下回った。平均受胎率は86.9%(87.7%)、平均分娩率は85.0%(87.7%)、平均分娩回数は2.2回(2.3回)と、それぞれ前年から減少した。地域別に見ると、北海道・東北のみがすべての項目で全国平均を上回っている。

肉豚出荷のうち格付方法(回答664経営体)については、単一の格付方法を用いている経営体と、複数の格付け方法を用いている経営体がある。述べ経営体数で見ると、「格付けしている」肉豚を有する経営体は95.0%(前年96.6%)で、このうち「日本食肉格付協会の格付」が85.1%(87.3%)に上った。

地域別では、北陸と近畿の格付実施率が100%の半面一、九州・沖縄が90.8%と最も低かった。肉豚出荷成績(回答626経営体)では、全国上物率は53.3%(54.2%)で、九州が62.5%と最も高く、中国・四国が53.4%となった。近畿は37.0%と最も低い。

〈畜産日報 2019年5月27日付〉