関東市場の豚枝肉相場は出荷頭数減少で踊り場からジリ高へ、末端需要は不振

畜産日報 2019年5月28日付
関東市場の豚枝肉相場は、先週までの踊り場の状況からここにきてジリ高に転じている。週明け5月27日の東京市場相場は上物税抜き576円、中物で553円となり、それぞれ前市から23円、28円値上がりした。関東3市場では573円で同6円高、群馬市場(セリ)では579円で18円高とそれぞれ反発している。

末端消費はスソ物以外はほぼ全アイテムで荷動きが低迷するなど不振が続いているが、ここへ来て全国出荷頭数が5万8,700頭(速報値)と6万頭を割っており、夏場に向けた出荷頭数の減少が相場高の要因とみられている。

豚肉の末端需要は、5月の大型連休以降、ロース、カタロース、バラの中部位を中心に伸び悩んでおり、価格次第でスソ物が動く展開となっている。需要面による相場の上げ要因は乏しい状況だ。こうしたなか、先週にかけて6万頭台前半にまで徐々に減少してきた全国出荷頭数が、27日はとうとう6万頭台を切る状況となった。例年、6月にかけて出荷頭数は細ってくる流れにある。一部地域でPEDの影響が残るなか、今年はここ数日間、北海道を中心に5月としては異例の猛暑となっていることから、足元の出荷には影響がないにせよ、今後、増体不良などで一段と出荷頭数と市場上場頭数の減少の懸念が高まってきた。

東京市場の上場予定頭数も今週金曜日(850頭)以外は700頭弱となっているが、市場関係者によると、上場頭数のうち、重量が乗らないあるいは大貫物なども多く、実際の上物率は少ないという。今後、月末にかけての出荷頭数が6万頭割れの日が続くと、相場はいよいよ税抜き600円台前半まで上昇する可能性が考えられる。

ただ、末端消費は、上述の通り、パーツの荷動きが振るわないなかで、この枝肉相場高でパーツ販売の逆ザヤが拡大するため、今後の枝肉買いにはブレーキがかかる可能性もある。

〈畜産日報 2019年5月28日付〉