日本養豚協会(JPPA、香川雅彦会長)は11日、東京・千代田区のホテルグランドパレスで2019年度通常総会を開き、18年度事業報告・収支決算、19年度事業計画・収支予算などの議案を原案通り承認した。また、欠員となっていた常務理事には櫻井保氏(学識経験者)を選任した。19年3月末現在の会員数は1,525会員(前年同期で74会員減)、母豚換数では42万1,836頭(同2,043頭増)となった。

19年度事業方針では、▽養豚経営の安定と生産力の向上▽養豚の国際競争力の向上と後継者育成▽豚疾病の予防及びまん延の防止、撲滅▽豚の登記・登録、育種・改良▽豚肉の消費の維持・拡大、自給率の向上▽養豚にかかわる情報の収集、提供等▽養豚振興についての政策要請・提案活動――などに関する事業を実施する。このうち、衛生対策では26年ぶりに発生した豚コレラの拡大防止や撲滅対策を徹底するとともに、近隣諸国で発生している口蹄疫やアフリカ豚コレラ(ASF)などが国内に侵入しないよう、国および日本養豚開業獣医師協会とJPPA衛生部会などが連携し、水際での侵入防止の徹底を図るとともに、国内養豚場などの衛生レベルの向上を図る。その他、チェックオフ制度の法制化と推進については、「養豚チェックオフ協議会」を中心に全国の養豚生産者に賛同を呼びかけ、法制化の実現を目指す。種豚の登録事業は5,200頭(18年度実績4,877頭)、子豚登記は1万2,900頭(同1万2,865頭)を計画する。

総会に先立ち香川会長は「昨年の6月に会長に就任し、8月からは集中豪雨、台風、地震と天災に見舞われた。9月からの岐阜県での豚コレラは大変な一例となった。役員一同、養豚業界の発展に努力してきたつもりだが、力不足もあり、会員の皆様の中には心配をされている方も多く、申し訳なく思う」とした上で、「TPP11や日欧EPAの発効、日米TAGの交渉と外圧にさらされている。その中で、豚マルキンの法制化が我々養豚農家にとって安心材料となっている。だが、中国のアフリカ豚コレラが近隣諸国にまで拡大しており、日本にも迫っていると感じている。(国の対策として)水際防疫を実施しているが、来年の東京オリパラに向け、より一層の対策をしてもらう必要がある。養豚農家が出来ることでは飼養衛生管理基準の遵守が問われている。『守れない』ということではなく、『どうすれば守れるのか』、協会として国と連携して考え努力していく。就任時には生産基盤の強化が使命だと申し上げたが、何が優先課題か整理できず1年が経ち、反省ばかりである。今後は会員の意見を聞き、国益を考えながら、一歩でも進めていきたい」と協力を呼びかけた。

総会の中で、岐阜県養豚協会の吉野毅会長から「経営再開の目途が立つような国の施策の早期提案を求めるよう、本日決議し、国に要請していただきたい」という提案があり、岐阜県・愛知県の生産者からも、豚コレラによる殺処分の現状や経営再開への要望が述べられた。この提案について全会一致で承認し、香川会長は「JPPAとしては協議を重ねながら最善の策をとっていく。また、早急に施策を示してもらうよう、国へ要請を行う」とした。

〈畜産日報 2019年6月13日付〉