〈全国で判断基準の統一に注力、公平な格付で公正な取引を推進/金井俊男会長〉
公益社団法人日本食肉格付協会(日各協、金井俊男会長)は6月18日、東京都内で第45回定時総会を開き、18年度事業報告・収支決算、19年度事業計画・収支予算などの議案を原案通り承認した。

決議事項では役員改選が行われ、総会後の理事会で新会長に大野高志氏(中央畜産会統括参与、役職は5月28日現在)、専務理事に芳野陽一郎氏(日本食肉格付協会総務部長)を選出した。

総会に先立ち金井会長は、「昨年度はTPP11、日EU・EPAの発効、豚コレラやPEDの発生など不安な事態もあったが、一方で、肉専用種の飼養頭数・出荷頭数の増加、輸出の増加など明るい面もあった。当協会の格付業務については牛、豚ともに格付頭数・格付率が前年を上回った。付帯事業でもオレイン酸の検査、格付証明書の発行、P.M.S判定など、前年度から伸長している。とくに輸出用の格付証明書は前年度から急増しており、海外においても当協会の格付が品質証明として利用されている。今年度の枝肉格付では、牛枝肉は乳用種、交雑種の出荷頭数の減少が予測されることから前年減を見込んでいる。豚枝肉は前年増を予測しているが、豚コレラやPEDの発生など不透明感がある。当協会では公平な格付を行って、公正な取引を推進するのが役目である。今後もこの基本的な役割を念頭に置いて、格付員の技術維持・向上を図りながら適正な格付業務を行い、わが国の畜産振興に尽くして参りたい」とあいさつした。

18年度の枝肉格付実績は、牛枝肉は全国106カ所で実施し、と畜頭数の増加(前年度比0.8%増)に伴い、前年度比1.1%増の90万1,111頭に上った。結果、全国と畜頭数に対する格付頭数の割合は85.3%で前年度から0.2ポイント増加した。豚枝肉は全国98カ所で実施し、と畜頭数が増加(同0.5%増)したため、同0.9%増の1,244万2,003.5頭となった。全国と畜頭数に対する格付頭数の割合は75.9%で0.3ポイント増加した。認定工場での部分肉格付では、牛部分肉の格付数量が同23.4%増の8,787t、豚部分肉は同7.7%減の1万4,746.3tで、部分肉仕向け未格付枝肉の格付頭数は、牛枝肉が212頭(19.8%増)、豚枝肉については格付の実施はなかった。

格付関連付加情報提供では、要望のあった出荷者に対する脂肪中のオレイン酸含有量の測定データの提供実績は1万264頭となった。18年1月から開始したP.M.Sの判定では、要望のあった出荷者に対する判定結果の情報提供は4,603頭に上っている。

19年度の事業計画では、枝肉格付は全国127カ所で実施する。このうち、牛枝肉はと畜頭数の減少(前年度1.0%減の104.2万頭)を見込み、格付頭数は89.2万頭(格付率85.6%)を、豚枝肉はと畜頭数の増加(同1.0%増の1,659万頭)を予想し、格付頭数は1,257.2万頭(同75.8%)を計画している。

最後に金井会長が退任するにあたり、「13年間、日格協の会長を務めさせていただいた。就任してからは口蹄疫やPEDの発生、震災や自然災害があった。またTPPの交渉が長引き、生産者は先行き不安を感じ、後継者不足などで家畜の頭数が減った時期であった。格付頭数も減り、財政的には厳しい時代だった。しかし、格付結果に基づく価格というのは、国の価格政策の参考資料となっている。また、格付結果が家畜改良や畜産経営の改善に使用されており、ブランド化にあたっての一つの品質基準としても使われている。格付証明書は国内だけでなく海外でも、品質証明として使われるようになっている。当協会の格付はわが国の畜産の生産・流通に重要な役割を果たすようになった。在任期間中は、格付の判定基準の統一に注力してきた。公的なものとして使用されるため、全国で統一した基準が今まで以上に重要だという認識のもと、職員一同、努力してきた。今後も格付業務は日本の畜産振興において重要になると考えている。皆様のご協力をお願いしたい」と感謝を述べた。

【その他新任理事】(役職は5月28日現在)
▽小野哲士氏(日本食肉格付協会事務局長)
▽鴨川修(全国畜産課長会会長・茨城県農林水産部畜産課長)
▽坂田亮一(麻布大学名誉教授)

〈畜産日報 2019年6月20日付〉