日本養豚協会(JPPA)の香川雅彦会長は去る8月2日、農水省を訪れ、豚コレラ被害拡大防止に関する要請書を、吉川貴盛農水大臣に提出した。要請書では、地域限定での飼養豚への予防的ワクチン接種の検討、野生イノシシの豚コレラが清浄化するまでワクチン接種を継続すること、摂取した豚・豚肉の円滑流通への配慮を求めた。

JPAAでは、生産者や関係者、国が一体となり、長い時間をかけて達成し、維持してきた豚コレラ清浄国というステータスを守っていく、もしくは一時的にステータスが停止されても、早期に復帰できるようにとの考えから、早急な対応を求めるとした。

香川会長は要請後の取材に対し「JPPAとして、富山、福井で野生イノシシの豚コレラ感染が見つかり危機感を持った。全国30人の理事にワクチン接種の賛否を取り、100%近い賛同を得て、大臣にワクチン接種の検討を要請した」と話した。香川会長によれば、吉川大臣は現状の対策を拡充して実施するとし、ワクチン接種は流通の問題や、OIEの地域主義により地域限定で清浄国ステータスが維持されるかの問題がある、と答えたという。

ワクチン接種により、日本全体が非清浄国となる可能性があるが、香川会長は「JPPAは生産者団体であり、生産者の痛みを考えて取り組む。日本全体の養豚事業者が加盟している組織ではなく、反対する者もいるだろう。あくまでもJPPAとして要請した」と述べた。接種後の流通に関しては「接種によるワクチン株と感染による抗体株の見分けがつかなくなる。そのために農水省は摘発淘汰している。ワクチンを接種すると摘発淘汰が難しくなり、ウイルスがどこかで生き残る可能性がある。全国の生産者の利益のため、不利益とならないように取り組んでいく」と述べた。

〈畜産日報 2019年8月5日付〉