〈スソ物など低級部位にシフト、月間通して落ち着いた展開か〉
昨年12月の豚肉需給は、全国出荷頭数が前年を下回って推移する中、実需はバラやカタロースなど比較的堅調な動きとなった。こうした状況を受け、豚枝肉相場(東京市場)は月間を通じて前年を上回り、2~3週目には400円台後半(上物・税抜き、以下同)まで上昇、500円を超える相場展開も見られた。しかし、クリスマス明けからは牛肉など他の畜種に需要がシフトしたことなどでジリ下げとなり、最終日となる27日は385円と400円を割った。近年は年末のご祝儀相場なども見られず、実需に即した相場展開となっているため、それを見越してか、12月最終の出荷・上場頭数も少なかったようだ。

年末年始の出費の反動もあり、1月は基本的に需要が鈍る時期となる。そのため、2週目は学校給食の再開や3連休に向けた手当てなどで、若干盛り返すことが期待されるものの、連休明け以降の3週目からはジリ下げのパターンが予想される。冷凍玉も輸入品を含めそれなりに在庫が多いため、凍結回しによる相場の下支えも弱いとみられる。そのため、月間平均では上物税抜きで420~430円(税込450~460円)前後と予想する。

[供給動向]
農水省が昨年12月10日に発表した肉豚生産出荷予測によると、1月の出荷頭数は前年比4%減の137万2,000頭と見込んでいる。農畜産業振興機構の需給予測(12月25日公表)でも1月の出荷は同様に137万2,000頭で、生産量は7.8万t(前年同月比1.9%減)を見込んでいる。1月は寒波による増体不良など、今後の天候によっては出荷にも影響を及ぼすことが懸念される。また、今回の年末年始の休み期間は多いところで9日間と長かったため、一部では昨年末に出荷しきれなかった豚がいるほか、年明けの出荷については長期の休みで増体が進み、枝重が重くなることで「上」物率の低下など、品質の差が出る可能性も指摘される。

また、需給予測では1月輸入チルドは同3.4%増の3万2,500tと予測している。従来、不需要期となるこの時期は輸入量が減少するが、近年は量販店など輸入品の取扱いが安定的に展開されていることもあり、引き続き3万t台と堅調なボリュームとなる見込みだ。

[需要動向]
昨年12月はバラ、カタロースのみが動いている状況で、後半にかけてはヒレやスソ物など余剰感が漂っていた。とはいえ、各社、越年在庫は比較的少ないようだ。

1月も基本的に、バラ、カタロース中心の動きが予想される半面、カタロースについては後半にかけて徐々に動きが鈍ってくるとの見方も。一方、12月に動きが鈍かったモモ、ウデは切り落としや小間材向けなどで、オーダーが入り出しているようだ。学校給食の再開や、年明けの節約志向から、これら低級部位に需要がシフトしてくるものとみられる。また、余剰感があったヒレは、いまの段階では動きは鈍いものの、一部の量販店では「受験シーズン」に向けたとんかつの販促も始まっており、受験が本格化する今月末から2月中旬にかけての動きが期待される。

[相場動向]
12月の相場は、東京が前年比59円高の471円(税込509円)と前年を上回って推移した。ことしの東京市場は5日にと畜、6日に初セリが行われ、445円(同481円)でスタートした。前半までは越年在庫が少ないことや、3連休に向けた手当てなどで400円台半ばの相場を維持しそうだ。しかし、後半にかけては需要が一段落することで相場もジリ下げに向かい、中旬以降の相場は400円前後の展開になるものとみられる。そのため、月平均相場は前年をわずかに上回る、420~430円(同450~460円)と予想する。

〈畜産日報 2020年1月7日付〉