〈モモは月間平均620円前後、ムネは横ばいの260円前後〉
昨年12月の鶏肉需給は例年通り、モモ正肉中心の展開となった。しかし前半は暖冬の影響もあり鍋物需要は弱く、中旬以降にようやく唱えが上がり始めたものの商いは弱かった。ただし販売数量は前年を超えているとの声が多かったが、販売量以上に供給量が多く、荷余り感が強まった。クリスマス・年末需要により強含んだが前年水準に及ばず。その後年末には一部産地で、増体悪化などの供給要因でモモの引き合いが強まり、12月の月間平均相場は、日経荷重でモモが607円(前年619円)、ムネが266円(279円)にとどまり、それぞれ前年を10円以上下回った。

1月は長めの年末年始休暇明けによる節約志向、日中気温の高さなどから鍋物需要への期待感は弱い。成人の日を含む3連休までは補充買いなどにより一定の荷動きが見込めるが、連休明けは弱含むと見られる。さらに1日に日米貿易協定が発効したことで、牛肉を中心に安価な輸入食肉が増えることが鶏肉業界として逆風となる。1月は弱含むなかで、下げ幅をどこまで抑えられるかが注目される。月間平均ではモモが620円前後、ムネが260円前後、農水省市況ではモモが640円前後、ムネが280円前後と予想される。

[供給見通し]
日本食鳥協会がまとめているブロイラーの生産・処理動向調査によると1月の生体処理羽数は前年同月比4.5%増と予想している。生体処理重量は4.1%増と処理羽数・重量ともに前年を上回る見通しだ。とくに北海道・東北地区はそれぞれ5.6%増・5.8%増、南九州地区(宮崎、鹿児島、沖縄)も5.3%増・4.7%増、北部九州地区(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分)も4.1%増・5.3%増と南北の主要産地で生産増が見込まれる。なおこれらの主要産地では2月も前年を5%以上上回る生産増見通しとなっており、潤沢な供給状況が継続する見込だ。

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測(12月25日公表)によると、1月の国内生産量は13万5,700tで前年同月比3.6%増、輸入量は4万1,900tで同0.2%減。国産鶏肉の国内相場が低水準にあるが、輸入業者により固定契約分の手当てが行われていることなどから、前年同月並みの輸入量を予測している。なお、3カ月平均(11月~1月)では、前年同期を1.6%上回る見込みだ。輸入品は庫腹問題もあり、1月は在庫調整などにより前年並から、若干下回る輸入量になると見込まれる。

[需要見通し]
年末にさまざまな要因があったものの、モモの需要が強まった。年始は一定の補充買いもあり、第2週目は引き合いが強まっているもよう。3連休まではモモ、ムネ共に一定の需要が見込まれるが、その後は弱含む。販売数量が減少しているのではなく、供給過多によるため。3連休明けは本来の在庫状況による商いとなり、弱含むことは間違いない。さらに、国産凍結玉が出回ると見られる。各社3月の年度末を前に在庫消化を進める。凍結玉は年末前のものであり、各社それなりの数量があると思われ、生鮮相場の状況を見ながら、どこまで在庫消化を進められるかが注目される。ムネは正月明けの節約志向から、需要が強まるのではとの声も聞かれる。ただ1月も日中は暖かい日が多く、鶏肉需要は天候に左右される可能性が高い。

[価格見通し]
年始の6日の日経加重平均はモモで626円、ムネで264円と年末価格横ばいとなったが、7日にはモモが636円、ムネが270円と御祝儀相場もあり強含んだ。しかし前年水準には遠く及ばず、とくにモモは昨年年始には654円となっていた。気温の冷え込み次第では、鍋物需要の強まりに期待したい。そのため、月間平均ではモモが620円前後、ムネが260円前後、農水省市況ではモモが640円前後、ムネが280円前後と見込まれる。

〈畜産日報 2020年1月14日付〉