〈2020年飼養頭数は減少の予測も、2022年に向け増加見込み〉
山火事による畜産農家への影響は軽微、飼養頭数は減少も22年に向け増加見込MLA豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は4日、大阪市内で「MLAプロジェクションセミナー」を開催し、食肉・流通関係者など約150人が参加した。冒頭、1月に就任したMLAのスコット・ウォーカー駐日代表が、「この14年間、韓国・シンガポール・インドネシアの市場でオーストラリア製品のプロモーションに従事してきた。MLAでもこれまでの経験を生かし、みなさんとオージービーフ・ラムを盛り上げていきたい。オージービーフ・ラムは、みなさんとの強固な関係と尽力のおかげで日本市場において深いマーケットシェア、60年以上にわたる実績、強固なブランディング力を有している。私はオーストラリアの日本とのつながりに情熱を傾けており、これからみなさんと日本で活動できることを楽しみにしている」とあいさつした。

セミナーではMLAの北野秀一氏が「牛肉供給状況」「牛肉輸出の見通し」「変化するマーケット状況」について説明を行った。

「牛肉供給状況」では、「昨年暮れからの山火事では、一部の畜産農家に影響があったが加工場、港には影響はなく、畜産における影響は1%以下である」と影響が軽微であることを強調した。また、「2019年のと畜頭数は17年、18年を上回っており、今年も18年、19年を上回って推移している。メス牛のと畜割合が多く、なかでもカウが多かった」ことを説明。20年の飼養頭数は「減少の予測だが22年に向けて増加する見込みとなっている。肥育場では記録的な頭数となっている。20年の牛肉生産は前年比14%減の見込みだが、16年と同レベルは維持している」とグレインフェッドビーフの生産量がそれほど落ちないことを述べた。

「牛肉輸出の見通し」では、「牛肉輸出は昨年、中国向けが30万tを超えて日本よりも多く、カウのと畜が多かったことでアメリカ向けが増加した。20年の牛肉輸出は生産減によって16年、17年と同レベルまで減少する見込みだが、14年以降伸長しているグレインフェッドビーフの輸出は今年も強くなるとみている」と説明した。日本向けは、「19年は9%減と前年を割っているが、過去5年間の平均とほぼ同じで、フローズングレインが20%減、チルドグレインは4%減となっている」と詳細を述べた。また、「4月から日本向けの関税が下がる。これは今後の輸出増に向けた期待値を上げることにつながる」と期待を寄せた。

「変化するマーケット状況」では、「日本では貿易協定、為替などの影響で輸入牛肉が増えているが、カナダなどが日本向けを重要視していることもあり、オーストラリア産牛肉のシェアは減った」と状況を説明。また、「中国市場ではフローズンビーフが大多数を占めており、輸入もフローズンが多い。アメリカ向けはカウミートが多い。日本はチルド・フローズン、グラス・グレインのバランスが取れているマーケットでオーストラリアも重要視している」と引き続き日本が重要なマーケットであることを強調した。

このほか羊肉について、「今年は干ばつの影響で生産量が減り、とくにマトンが減少すると見込んでいる。ただ、生産効率は向上しており対策は早いとみている。昨年、日本向けはラムだけで1万tもあり、日本は着実なマーケットととらえている」と説明した。今年のプロモーション活動では、「『レッツバービー!サマー元気』キャンペーンの販促を予定しているほか、『Are you ゲンキ?鉄で元気』キャンペーンも継続して、販促に注力していく」と述べ、「2月12〜14日に幕張メッセで開催される『スーパーマーケットトレードショー2020』ではオーストラリアの輸出業者10社が参加する」と今後の展開を述べた。

セミナー後に行われた特別講演では、ダイヤモンド・リテイルメディアの千田直哉編集局局長が「食品小売業 変化のトレンド」と題した講演を行った。同セミナーは5日に福岡会場(西鉄グランドホテル)、12日には東京会場(ホテルニューオータニ幕張)での開催を予定している。

〈畜産日報 2020年2月6日付〉